※以下は2023年1月移動記事となります。

 

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※2021年5月19日fb投稿。

 

第4の水の相 ―固体・液体・気体を超えて

ジェラルド・H・ポラック著

 

 

 

定価6800円の高価な新書。足立区立図書館に頼んだら、中野区立図書館から相互貸借してくれたよ♨ありがとう足立区立中央図書館~🙏

 

昨年(2020年)6月に日本語版が刊行されたばかり(原書・2013年5月)の真に水を追究する本。この著者は世界的な生物工学博士とのことですが、科学者としての「名声と生きる糧を重大なリスクに晒して」水を追究した一冊との評価。

 

水には、既存の個体・液体・気体のみならず第4番目の相として、血管から川まで、水と接する物質の表面で形成されている予想以上に厚い水の層が存在するそうで、ここでは電荷が大量に含まれ(だからこの層と他の領域の一般水との間で電流も起こせる)、事実上あらゆる物質を排除し、通常の水より秩序性が高く、記憶装置のような性質があるなど、既存の科学ではまだ未知とされている驚くべき水の性質について平易な言葉で説明されています。

 

その代表的性質からこの相を「排除層」と呼び、その独自の性質を説明しているのが本書の中心となります。この排除層の水は、ハニカム構造🐝の層として積み重なっているそうで、個人的に興味深いのは、この6角形の蜂の巣構造🐝を、隣接する平面同士の間で60度回転させるとらせん構造ができるという話。その図は何かにそっくり。つまりDNAです。

 

以下抜粋(P90~)「このらせん構造は、生物の体の中において、とりわけ重要な意味を持つのではないかと思われる。なぜなら、排除層の水が同じようにらせん構造を持つタンパク質や核酸との間の界面となっているからである。」見えないけれど、水はらせんを描いて存在している…。

 

その他、生体分子がより大きな構造へと自己組織化されるプロセスについての独自考察、ブラウン運動にはまだ未解明の部分が多く(光の要素が抜けている)、それを植物の光合成を例にいかに光を必要をしているかの説明(また出た光合成の話🌱)、また水はただそれだけで発動機としての性質があるなど、これまで科学界では無視、あるいは「避けられて」きた水の深層テーマに正面から、そして平易な言葉で切り込む非常に興味深い本でした。

 

このジェラルド・H・ポラック博士は江本勝氏とも親交があり、江本氏

 

 

への敬意と感謝も記されています。