NHK杯・それぞれの戦い | WFS JAPAN

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Takahashi to face Hanyu, Asada to meet Suzuki at Japan’s Derby


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今週末、フィギュアスケートGPシリーズの最終戦が開催される。日本の宮城で行われる2012NHK杯だ。NHK杯の後は、ロシアのソチで行われるファイナルを待つのみ。
日本のグランプリ・ステージはファンの間でも、そしてアスリート達の間でも最も人気のあるものの一つだ。これは何も不思議なことではない。こんなにも温かく、同時に深い知識を持つフィギュアスケートファンが住む国を日本以外に見つけることは難しいだろう。日本で行われる競技会の会場はいつも満員の観客で埋め尽くされ、様々な国から参加するアスリート達は最高の喜びの中、この国でパフォーマンスをすることが出来るのだ。

来るNHK杯は日本ダービーと呼ぶこともできるだろう。勿論、他国からの有名スケーター達も出場するが、しかし今日の日本スケート界のリーダー達の間での直接対決は特別な注目に値するだろう。GPファイナル出場をかけての戦いと、その後の全日本選手権を考慮した場合は特に。


男子シングルでは、今シーズン初めて高橋大輔と羽生結弦が同じ氷の上で顔を合わせることになる。


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高橋大輔にとって初めてのGPイベントとなった2012中国杯で、2010年オリンピック銅メダリストであり元世界チャンピオンでもある彼は、チームメイトの町田樹に次ぐ第2位となった。技術的点から見ると中国杯での彼は全てが上手くいった訳ではなかったが、氷上での彼の創造力の高さを再び示すことは出来た。NHK杯での高橋は、優勝を勝ち取ろうとするだけではなく、彼のパフォーマンスの向上を証明しようとすることに疑いの余地はない。


2012年世界選手権銅メダリスト、そして全日本銅メダリストである羽生結弦は今シーズンをフィンランディア杯の優勝から開始させた。スケートアメリカでは95.07ポイントをたたき出しSPで世界最高得点を更新した。羽生が記録を更新する前は高橋がSP最高得点記録保持者だったことが興味深い。

2012スケートアメリカでの羽生はSPで本物の興奮を作り上げた。最高レベルのパフォーマンスというのみならず、素晴らしいインスピレーションも兼ね備えた最高のものを。もしかしたら、これが彼のFSが全く正反対の結果となってしまったことの理由でもあるかもしれない。しかし全ては経験なのだ。


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羽生結弦は素晴らしい芸術的ポテンシャルを持っており、その感情の全て、100%全てを使おうとする。おそらく彼はSP、FS両方のプログラムに対し必ずしも平等の力配分をしないのではないか。多分これが彼が時に不安定な理由であると思う。しかし彼はそれを良く解っていて、それに取り組んでいることも確かだ。そして宮城の地で、その成長を見せてくれるのではないだろうか。


女子での浅田真央と鈴木明子の間の戦いもまた、男子同様に興味を惹かれるものだ。


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2度の世界女王、浅田真央は2012中国杯から今シーズンのGPサーキットを開始させた。その中国杯で、この素晴らしいスケーターが様々な方法で挑戦を続けた昨シーズンに比べ、どれほど成長したかを示して見せた。

チャイコフスキーのバレエ音楽“白鳥の湖”を使った浅田の新しいFSは、中国の観衆を魅了した。この音楽はいつもある種の期待を抱かせる。真央はその期待を裏切らなかった。最もハイレベルな技術を持つ女性の一人である真央は、単純とは決して言うことのできないこのプログラムの、感情と芸術の面で非常に上手く対処した。
彼女は、音楽のテーマやその解釈にとても深いセンスを持っている、このスポーツの真のマイスターであることを再び証明してみせたのだ。

2012年世界銅メダリストの鈴木明子は、彼女のGP初戦となった2012スケートカナダで銀メダルを獲得している。27歳の彼女もまたハイレベルのスケートを見せてくれる人だ。残念なことに、スケートカナダで彼女についたコンポーネンツマークは、いくつかの混乱を引き起こした。私の考えでは、彼女が得るべきコンポーネンツはもっと高いものであるはずだ。しかし私達全員が良く知っているように、コンポーネンツスコアは非常に頻繁に様々な反応を引き起こす担当窓口の様なものだから。


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2012NHK杯では、両者ともが良いパフォーマンスの成功へ挑戦をし、そしてその美しいパフォーマンスを持ってファンを喜ばせることだろう。

フィギュアスケートの観客はいつも、日本での素晴らしい、そして強いパフォーマンスを待っている。私は今年のパフォーマンスもまた例外ではないだろうと確信しているよ。