ハビと同じく薄い布を纏った少女は

 

ハビに近づき自分の手で直にハビの下腹に触れる。

 

そして、もう一方の手で自分の下腹に触れた。

 

「あたし妊娠しているんです」

 

彼女はそう言って僕に笑いかける。

 

「素敵ね」

 

ハビが少女の下腹に触れてそう言った。

 

「お名前は。私はハビ」

 

「ミチです」

 

「あなたは」

 

ミチと名乗った少女は

 

僕の名前を聞いた。

 

「サクです。ピサとも呼ばれていますが」

 

ハビが僕のかわりに少女に答えた。

 

「パートナーなんですか」

 

「違うわ。彼はこの船に乗るまではパートナーがいたけれど」

 

「この船に乗るためにパートナーを解消したの」

 

少女はニヤニヤと僕の顔を見ている。

 

「君のパートナーはどこにいるの」

 

「私にパートナーはいません」

 

「それじゃ父親は」

 

「わからないんです」

 

僕は驚いて少女の顔を見た。

 

「そんな目で見ないでください」

 

「別に悪いことをしているわけではないので」

 

「この区画が実験区画だってことをご存知でした」

 

「何の実験」

 

ハビが少女にきいた。

 

「子孫を増やす実験です」

 

「ごく自然に。でも、船が宇宙に出てから何も起こらなかった」

 

「それで、私に男性が派遣されるようになったんです」

 

「そうですか」

 

ハビは穏やかに笑いながら少女を見ている。

 

「それで、今はもう来ないのですね」

 

「はい、妊娠が確認されたので」

 

「あなたも、博士に診察してもらった方がいいですね」

 

「多分、妊娠しています」

 

少女は立ち上がるとぼくのほうに歩いてきた。

 

「あなたが父親です」

 

「自覚はありますよね」

 

僕はゆっくりとうなずいた。

 

「あなたも一緒に、博士のところに行きましょう」