まぶしい光。

 

慣れるまでは目を開けているのも辛い。

 

中央には水をためた池。

 

ハビは薄い布だけを纏ってそこに入っていく。

 

実際は水に入っているという感覚だけで

 

そこに水は存在していない。

 

そもそも水に入るという行為を

 

経験したことのある人間は

 

地球に住んでいるごく一部を除いて

 

存在すらしていない。

 

そしてハビは、そのごく一部の人間だった。

 

「地球にそんなきれいな水が存在するの」

 

「自然が水を浄化する力を持っている場所があるの」

 

「それはすごいね」

 

「どうして地球を見捨ててしまったんだろう」

 

「見捨ててはいないわ」

 

「他の星への移住が完了したら、浄化をはじめる計画なの」

 

「それはいつの話」

 

「よくわからないけれど、遠い過去には違いないわね」

 

「今でも有効なの」

 

「太陽はまだ大丈夫」

 

「私たちの祖先は優秀よ」

 

僕はエターナルランドを眺めながら

 

カミラに連れていかれた

 

火星の施設を思い出していた。

 

規模は違うけれど、よく似ていた。

 

光は熱を持っているけれど

 

僕たちの体には悪影響は及ぼさないようだ。

 

「そんなこと、どこまで信用すればいいんだ」

 

この地域には珍しい、小太りで初老の男が

 

ハビに噛みついていた。

 

「私の腕を見てください」

 

ハビは自分の白い腕を男に見せる。

 

「日焼けしてないでしょう」

 

男は不思議そうな顔で

 

「日焼けってなんだ」と

 

ハビに聞き返した。

 

「あなたお生まれは」

 

「月だよ。第三世代だ」

 

「ルナリアンでしたか」

 

「悪かったな」

 

男は体を揺らしながら

 

エターナルランドを出て行った。

 

「あの人、ここの居住者じゃないのよ」

 

「迷い込んできたの」

 

まだあどけない顔をした女の子が

 

僕とハビに話しかけてきた。