外は真っ暗な宇宙。
などと言ってみても、
一般の乗務員の僕たちが
実際に船内から外の様子を
窺うことなんてできない。
ただ、そう思い込んでいるだけのこと。
ただし、このことは事実と
大きく違ってはいないだろう。
僕たちが宇宙に飛び立って
どのくらいの時間が過ぎたのか
わからなくなってしまった。
相当な時間が過ぎている
自覚だけはあるのだけれど。
そもそも、
僕が惑星で過ごしていた時の
時間の経過と
船内の時間の経過は
必ずしも一致していない。
そのことは本当に長い時間をかけて
研究されてきた。
そして正しい答えは
誰も導き出してはいない。
あくまで、想像上の理論で
時間の経過とともに
自信をもって語られてきたことは
曖昧なものへと変化していった。
「25年と43日です」
ハビは自信たっぷりに僕にそう答えた。
「あくまでも、目安ですが」
「数字は間違いありません」
金星を発った時と全く変化のない
ハビの顔を見ながら
僕はいろいろと想像をめぐらせた。
地球が太陽を回ることを基準に設定された
僕たちの知っている時間というものが
この広大な宇宙の中で
どれほどの意味を持つのだろう。
「だから目安です」
ハビは笑顔で僕に言う。
