独り言雨音がきこえる。 気がついたらもう空の色は変わっていて 静かに水の降る音が聞こえていた 音のある静寂 それは決して耳障りなものではなくて むしろさ安らぎを与えるようなもので このまま続いてもかまわないという思いさえ浮かんでくる あくまでそれは一時の感情にすぎないのだけれど この水で流れてしまえばいい この音で消えてしまえばいい この雨で、忘れてしまえばいい そんな昔の話を、少しだけ思い出した これくらいなら、このまま雨夜でもわるくない。