裏庭に繋がれた犬の、ある一日 | フィリオとショコラのちいさなおうち

裏庭に繋がれた犬の、ある一日

ぺっしゃんこにひしゃげて、薄べったく、毛皮が落ちています。    

 

 

    

 

ボクはデップリお腹が邪魔して、ぺしゃんこにはなれません。

 

なんか、文句あるの?

 

 

 

 

「弥生、スコットランドはエジンバラ発」さんのブログよりご紹介します。

いつも転載させて頂きまして、ありがとうございます。字は転載です。

裏庭に繋がれた犬の、ある1日

https://scotyakko.exblog.jp/25572949/


 

6時:
 家の中の人影が見える、声が聞こえる、
 だけど誰も、ぼくがどうしているかを見に来る者はいない
 彼らはお喋りしてるし、笑ったりしてる
 あぁ、ぼくもみんなと一緒にいたいな


6時半:
 お腹が空いたし、のども渇いたよ
 昨夜、ぼくを繋ぐチェーンに絡まった時に、つまずいて
 ごはんと水の入ったボールを蹴飛ばしてしまったんだ

6時45分:
 チェーンがきつくて、ぼくの首の皮膚に食い込んでるよ

8時15分:
 家の中に住んでる人々は みんな、家を出て行くよ
 ぼくは、誰かがぼくに気付いてくれると思って、思い切りシッポを振って走り出してみたけど
 チェーンに引っ張られて、思い切り後ろへ転んでしまったよ
 ダメだった

8時15分 - 14時:
 ぼくは、いったい何をしたら良いのかわからない
 このチェーンに繋がれてたら、家を守ることはできないし
 犬用の玩具もないし、一緒に遊ぶ友達もいない
 もし、吠えたら、誰かがやって来て、ぼくに何をすれば良いのか
 教えてくれるかも知れない、それとも一緒に遊んでくれるかも知れない
 ぼくは、一日中、吠えることにしたよ

2時半:
 動物管理局の人がやって来て、家のドアに紙をはさんで行った
 彼は、ぼくのことを、哀れんだような目で見てた
 ぼくは、悪い犬に見えるのかな?
 ぼくは、確かに汚いんだけれど、こんな汚れた土の上で座ってたら 清潔でなんかいられないんだ
 ぼくは、いったい、どうして良いのかわからずに
 彼のことを見ながら、ばたばたと円を描いて歩き回り、唸り、そして吠えたよ
 ぼくは、外を通り過ぎて行く人みなにも、唸り、吠えたんだ

3時15分:
 その家に住む、一番、小さい人が帰って来た
 もしかしたら、ぼくと遊んでくれるかも知れない!
 いや、遊んでくれない
 ぼくの寝床から数メートルのところにある、いつものトイレで用を足そう

5時半:
 残りの全員が家に帰って来た
 そのうちの1人が、動物管理局の人が置いていった紙切れを取り除いて
 ぼくに向かって、吠えるんじゃないと大声で怒鳴った
 ぼくは、とっても困惑してしまい、どうして良いのかわからないから どたばたとまた、前へ後ろへ歩き回った

6時:
 家の中から食べ物の匂いがする
 ぼくは、お腹がぺこぺこで、のどがカラカラだ

7時:
 家の人が1人庭に出てきた
 彼は、ぼくのご飯のボールにご飯を入れ、水のボールに水を入れた
 ぼくは、誰かがぼくに注目してくれていることが、あんまりにも嬉しくて
 興奮して飛び上がり、両方のボールの中身をぶち空けて、彼の洋服を汚してしまった

 彼は、ぼくを叱り付け
 こんなんだから、お前は家の中なんかで人間と一緒に暮らせないんだよ と怒鳴った

8時:
 また、独りぼっちの夜
 ぼくは、チェーンに繋がれている夢を見る
 だって、他のことは、ぼくは何にも知れないのだから 
                

(英文を私なりに訳させて頂きました)

 

 

よく行くスーパーの途中に、犬を外飼いされているおうちがあって、

その子が気になって、しょっちゅう見に行っていました。

酷暑の夏も雪の冬も、その子は短いチェーン一杯のところに、いつも寝転んでいました。

小さな小屋にはヨシズが立てかけてありましたし、排せつ物が落ちていたこともなく、

水の器はありませんでしたが、きっとご飯の時には貰えていたでしょう。

チェーンが短か過ぎると思ったのも、駐車場を兼ねていましたから、事故への配慮かもしれません。

つまり、かあさんが文句を言う筋合いは何もなかったのです。

昨日、しばらくぶりに覗きましたら、その子はいなくなっていて、小屋もヨシズもかたずけられていました。

あの子は、神様に召されたのでしょうか。

あなたは幸せだったの?  かあさんの胸の奥に、一筋涙がこぼれました。

 

今日もお出で下さいまして、ありがとうございました。

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