FIGLIO -秋冷えの頃ー
秋冷えの頃になりましたね。
日暮れ時の散歩は、もう上着が必要です。
バス停を通るとフィリオはいつも立ち止まって、一台待つと言い張ります。
ずーっと前父さんを迎えに来たのを覚えているのか、いろんな人の匂いや気配に惹かれるのか・・・?
バスから降り立つ人達を一人ひとり確認して、バスの出発をお見送りして、納得してから又歩き出します。
「こうしてくっついて座っていると、くっついてる方だけ暖かいね。」
まだ幼い息子と二人、夕暮れのバス停のベンチに座っていますと、彼がポツンと言いました。
昔むかーーしのお話です。
息子よ、それは、相寄る人の居る暖かさなんだよ。
身体が温かいように、君の心が暖かいんだよ。
そんな抽象的なことを幼子に言ったかどうかは忘れましたが、彼の感受性が嬉しかったことは、今もはっきり覚えています。
今日もお読み頂きまして、ありがとうございました。