FIGLIO -つらかった事ー | フィリオとショコラのちいさなおうち

FIGLIO -つらかった事ー




陽が短くなって、夕方の散歩は黄昏時(たそがれどき)になります。

「誰そ、彼は」が黄昏の語源ですが、「あちらからやって来られたのはどなたでしょう、こんなにうす暗くなるとよくわかりません」位の意味でしょうか・・・

ちなみに私は、人生の黄昏おばさんではあります・・・

おっと、そういう話題ではなかったのでした。

黄昏散歩を楽しんでいると、あちらのほうから見覚えのある方が、小走りに近寄って来られました。

誰そ、彼は?

いつもは柴系ミックスのワンコとペアでおられるので、お一人だと、どなただったかとっさには判りにくいものです。

フィリオとは相性の良くないワンちゃんだったので、いつも道の両端を会釈だけし合って、すれちがう仲でした。

「うちの子、昨日死んじゃったんです!」

なんと、初めて交わした会話がこれだったとは!

その方の眼から、ポロリと涙がこぼれました。

えぇーー・・・・・、どうなさったんですか?

お話によると、それまで元気で何の異常も感じなかった子が急にぐったりし、あわてて動物病院に運んだものの、1時間後に病院で亡くなったのだそうです。

「私、泣いてしまって、何にも聞けなかったの、何も判らないんです・・・」

そんな急変ってあるんですね・・・・。

その方はフィリオを抱きしめてしばらく泣かれてから、別れて行かれました。

見えなくなるまで後姿を見送ってから、私とフィリオも我が家に向かいました。

あんなにママに悲しまれて、名前も知らないそのワンちゃんは、きっと幸せな一生だったに違いありません。

陰ながら、ご冥福をお祈りいたします。



今日もお読み頂きまして、ありがとうございました。


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