その時、妙幢菩薩が聴聞の座を起ち上がり、釈迦を礼拝し、称賛の言葉を申し上げます。
「世尊は、百もの福徳で飾られたお姿をされています。限りない功徳によって身を飾り、大らかで浄く、千もの太陽の光のように、万人に敬愛されるお姿をされています。(中略)」
釈迦は妙幢菩薩にお告げになります。「あなたは今述べたように、仏の人智を越えた功徳を讃え、すべての生ける者たちに利益を与え、いまだ仏法を知らない者たちに順を追って、仏の教えを修学させたのだ。」
爾の時、妙幢菩薩即ち座より起ちて、偏に右肩を袒ぎ、右膝を地に著け、合掌して仏に向い、而も説讃して曰く、
「牟尼百福の相円満し、無量の功徳を以て身を厳り、広大清浄にして人観んことを楽う猶し千日の光明の照らすが如し。(中略)」
仏、妙幢菩薩に告げたまわく、「汝能く是の如く、仏の功徳の不可思議なることを讃じ、一切を利益し、未だ知らざる者をして随順修学せしむ。」
(次回「菩提樹神讃歎品第二十九」へ続く)