キャッサバはインドネシア語で「singkong(シンコン)」といいます。
熱帯の広い地域で栽培される主食作物であり、根茎からとったデンプンがタピオカです。
インドネシアでも幅広く食べられていて、小学校で子どもたちが授業の一環で栽培したりもするようです。
インドネシアでは、根茎を揚げた「singkong goreng」又は「keripik singkong」というのがポピュラーな食べ方です。
根茎は野菜売り場で売られています。
「singkong goreng」は大きめにカットし、茹でで中まで火を通してから外側をカリッと揚げたもの、「keripik singkong」はスライスして揚げたチップスです。
インドネシア人は主食としてではなく、おやつとして食べます。
あまり日持ちがしないそうで、買ってきてからすぐに調理しないとすぐ黒ずんでくるそうです。
私はまだ生芋を買ったことはなく、お店で「singkong goreng」を注文したことはあります。
「keripik singkong」はスーパーのお菓子売り場でポテトチップスやテンペチップス等と並んで、袋入りのスナックとしても売られています。
根茎だけではなく、インドネシアではキャッサバの葉そのものも野菜として食べます。
特にパダン料理(西スマトラ州各地の料理の総称)でよく使われるそうです。
下の写真のナシ・チャンプルのおかずの一つ、かなり黒っぽく写っているのがキャッサバの葉を炒めたものです。
歯ごたえの残った食感で、味も癖はなく、美味しいです。
そしてタピオカ粉は、日本での片栗粉と同じような感覚で使われています。
例えば、インドネシアにも日本のさつま揚げのような魚肉のすり身を揚げた料理がありますが、繋ぎにタピオカ粉が使われており、日本のさつま揚げよりもちもちした食感です。
最後にもう一つ。
インドネシア発祥の発酵食品の一つにタペ(tape)というものがあります。
タペにはキャッサバを使ったものともち米を使ったものがありますが、キャッサバを使ったものがこちら。
ラギと呼ばれる麹でキャッサバに含まれるデンプンを発酵させたもので、とても甘いです。
西ジャワ州のものが有名だそうですが、私が購入したのは東ジャワ州のもの。
西ジャワのものよりしっとり柔らかいのが特徴とのことです。
おやつとして、そのまま食べても、焼いて食べてもよいそうです。
甘酒に似た味と香りで、私は大好きです。