タシケントの年末年始 | 工事中

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実は、タシケントに来て最も驚いたことの一つが年末年始にかけたクリスマスの扱いである。

 

昨日も、大晦日の年末年始のお祝いのお祭り的イベントに行ってきた。

 

 

どう見ても、それはクリスマスで、日本人の自分からすると、「いつまでクリスマスやってんの?」と思わざるを得ない。

 

 

 自分にとってクリスマスといえば、赤い服を着た白いお髭の老人が12月24日の夜にソリに乗ってやってきて、各家庭に煙突から暖炉を通って侵入して、良い子の枕元に勝手にプレゼントを置いていく日であると思っていた。しかし、ここではどうやらそうではないらしい。

 

1年ほど前、自分は、一時帰国しており、年末年始は日本で過ごし、正月が明けた後にタシケントに戻ってきた。久々に買い物に出ると、不思議なことに街にはクリスマスの雰囲気が残っており、ジングルベルなどの定番の曲が流れていた。サンタクロースらしき人の飾り物も存在感を放っていた。

 

 

周りの人に聞いてみると、あれは、サンタさんではなくコルボボさんだという。さらに詳しく聞くと、コルボボとは、ウズベク語で雪のおじさんという意味らしい。ということは、コルボボさんと呼んでしまうと、“雪のおじさん”“さん”みたいになり、ジャムおじさんに“さん”付けして、ジャムおじさんさんと呼んでしまっている感じで変なのかもしれないと思ったが、さかなクンはさかなクンさんとか呼ばれていたりもするので、それはそれで良いのかもしれない。

 

ウズベキスタン人の中には、あのサンタクロースのような人は、ウズベキスタンのオリジナルキャラみたいな説明をする人もおり、オリジナルキャラならそれで良いが、これではあからさまにパクリではないかと、ずっと不思議に思っていた。

 

今年の年末や正月は日本に帰らずにタシケントで過ごした。やはり、どうしてもこのクリスマスのようなものが気になり、周囲の人に聞いて回った。

 

何名かのウズベク人に、「あれは、どうみてもクリスマスだ。年末年始を祝うのは勝手なのだが、なぜ、そんな紛らわしいことをするのだ?」的なことを言ってしまったりしたのだが、明確な解答は得られなかった。

 

どうも、暦の関係で、ロシア正教のクリスマスの時期はちょうど新年に当たるようで、イスラム教徒なども、折り合いをつけてなんとなく祝っているというのが現状らしい。ロシア正教ではジェド・マローズ(寒波の爺さん)というサンタクロースっぽい人が来るらしく、コルボボ(雪のおじさん)はその影響を強く受けていると考えれば合点がいく。



自分がどの程度正しく理解できているかは定かではないが、確かに、ウズベキスタンは、しばらくソ連の一部だったわけで、今のところ、これが一番しっくりきた説明である。別にサンタクロースをパクってオリジナルキャラに仕立て上げているというわけでもないようだ。

 

少し他の国のクリスマスについても少し調べてみたところ、どうも、あの赤い服の髭のおじさんが世界中でサンタクロースと呼ばれているというのも、自分の勝手な思い込みで、想像以上に世界では色々な名前で呼ばれており、結構キャラも異なるようだ。

 

たかが年末年始の祝い方の違いであるが、まだまだ、世界には自分の知らないことが沢山あるということを考えさせられた。まぁ、多くの日本人も本来ならクリスマスを祝う筋合いはないわけで、自分を含めてその背景を正確に理解しているわけではない。そこに関しては良く似た状況なのだろう。