もし、あなたが、どこかの研究室に所属しているのであれば、おそらく、その研究室が総力を挙げて解消しようとしている大きなくくりのコンフリクトというものがあるのではないかと思う。
研究室の中で研究に取り組み、そこで成果をあげるには、まずはこの辺りの認識を共有することが重要である。
ここからは、そのためにも、あなたの漠然とした問題意識をどのように研究テーマに落とし込んでいくのかの手順を簡単な例をつかって具体的に考えてみたいと思う。
ここでは、
手順2:コンフリクトに関連する要素を分析する
について説明する。
すでに、手順1の段階で、「望ましい状態」と「望ましくない状態」は『「名詞」が「名詞」&「動詞」』の作用単位として表記されているはずである。
ここで、これらの挙動は、「システム」を構成する要素の相互作用の結果として発生しているはずである。
そこで、今後更なる分析をおこなうためにも、このコンフリクトに関連した要素を、まずは、考えておく必要がある。
また、調査や議論の進展に応じて、この要素は適宜更新されるべきであるだろう。
機械であれば部品かもしれないし、組織であれば部署だったりするのかもしれない。また、学術分野も、より細分化された分野と言ったものがあると思う。
あなたがこれから、研究という活動を通じてこのコンフリクトに関する議論を専門的に展開していくためには、少なくともこれらの要素を十分に具体的に把握しておく必要があることが理解できるだろう。
コンフリクトに関連する要素を分析するには以下の視点から考えて見ると良いと思う。
(1)どのような要素がシステムを構成しているのか?
『「名詞」が「名詞」&「動詞」』の中の、『「名詞」が~』の「名詞」は、おそらく「システム」の名称である。そのシステムを構成する要素を考える。
(2)システム外部に存在するシステムは何か
『「名詞」が「名詞」&「動詞」』の中の、『が「名詞」&「動詞」』の名詞は、おそらくシステムの外部に存在する要素である。
「システム」その外部のどのような要素に影響を与えているのか、もしくは、どのような要素から影響を受けているのかを考える。
では、引き続き、例として、「地震が起きると、家が倒壊して怪我をする、下手をすると命を失うことがある。」のコンフリクトを用いて考えて見よう。
このコンフリクトに関連している要素とは何か?
まずは、システムを構成する要素という視点から考える。
つまり、
(1)どのような要素がシステムを構成しているのか?
について。
私は、家を建てたことがないので詳しいことは分からないが、
「地面」、「土台」、「柱」、「床」、「壁」、「屋根」、「家具」
といったところだろう。
次に、システムの外部に存在する要素という視点から考える。
つまり、
(2)システム外部に存在するシステムは何か
について。
住居・家屋の中に人が滞在する事によって、「水(雨)」や「空気(風)」をしのぐことができていることから、これは、
「人」、「水(雨)」、「空気(風)」
で良いだろう。
この段階で、このコンフリクトに関連した要素を以下の図のように認識したことになる。