「問題解決型」の研究のための文献調査 | 工事中

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「問題解決型」の研究は、コンフリクトの存在自体を『問題』としており、何らかの調査・分析を通じてその解消に貢献することを目指している。ある意味素直な研究であるともいえる。

 

あなたが「問題解決型」の研究に取り組む場合、そのコンフリクトの解消を目指しているのは、世界の中であなた一人ではないはずだ。

 

なので、あなたは、文献を通じて、他の研究者によってすでになされているコンフリクト解消への取り組み状況を調査しなければならないだろう。

 

ただし、もし、あなたが「問題解決型」の研究をすることになっていると認識しているのであれば、いつのまにか、その文献調査が、調査のための調査にならないように気を付けなければならない。

 

何となく文献調査をしていると、いつの間にか何のために調査しているのかが良く分からなくなるということが、ときどき起こる。そして、結果として周囲と共有していた論点がずれてきてしてしまう。

 

特に、コンフリクトの解決策に関する先行研究を調査していたつもりが、いつの間にかコンフリクトを設定するための文献調査にならないように気を付けるべきである。

 

少し考えて見て欲しい、もしあなたが、文献調査で何かしらのコンフリクトを設定したとする。

 

そこで、まず行うべきことは、そのコンフリクトが確かに存在するのであるという検証なのではないだろうか?文献調査から、『問題』を見出すことは、従来の研究に異を唱えるか、議論が不十分であることに対して問題を提起することになる。

 

文献調査のみでコンフリクトを設定しその解決策を提案しようという話にはあまりならないというのが私の経験だ。

 

それは、「問題提起型」の研究ということになり、他の人からは、あなたの研究の方向性がずれてきているように見えてしまうだろう。

 

それはそれで、間違ったことではないが、やりきるには結構な覚悟がいる(研究室を移るとか!?)。

 

なので、何らかの経緯であなたが「問題解決型」の研究を行うことになっているのなら、やはりそこに徹するのが、成果への近道ではないかと思う。

 

あくまで個人的な経験から言っていることだが、大学の研究室においては、少なくともコンフリクトの設定までは、同僚や先生との議論をメインに行った方が良いと思っている。

 

それが、周囲と研究目的の共有を徹底するということになるからである。

 

ここまで気を付けた時点で、いまの「問題解決型」の研究に取り組むあなたのスタート地点は、以下の図の通りになる。

 

つまり、研究室、もしくは研究グループが認識するコンフリクトは複数のコンフリクトにより引き起こされていて、いま、あなたはそのうちの一つを解消するための『課題』を探そうとしていることになる。

 

 

ここまでの認識を明確にして、ようやく「問題解決型」の研究のための文献調査を始めることができる。

 

まずは、もし、読むべき文献が分からないのであれば、先に示した方法で文献を選定することをお勧めする。

 

リンク:研究、調査する文献の取捨選択について

 

その上で、どのような文献を選ぶかは、もちろんあなたが決めることだと思うが、そこから得られる情報はとどのつまりは、『「名詞が「名詞」&「動詞」様子を明らかにした。』ということになるはずだ。

 

A4用紙510ページの文章をここまでまとめるのは難しいかもしれないが、この位にしないと、いつまでたっても文献調査から抜けられないことも確かなので、この時点ではこの程度で割り切ることも大切ではないかと私は思っている。(←詳しく調査するべき段階も存在する)。

 

それらを、似た者同士でグルーピングしていくと、おそらく、あなたが解決を目指すコンフリクトの解決策としていくつかの方法が考案されていると認識できるはずだ。

 

そして、それぞれの方法はどれも一長一短で、それぞれに大体共通している弱点、つまり、「望ましくない状態」があるはずだ。もちろん、これは「望ましくない作用単位」としても記述される。

 

この「望ましくない状態」に関しては、それぞれの論文にはあまり明確に書かれていないことが多いので、おそらく、何とか自分で見つけ出すことが求められる。

 

 

また、世界でいくつか提案されている解決策の中には、あなたの研究室の先輩が行ったものもあり、コンフリクトの解決策から発生するコンフリクトの解決策の提案が、正確に言うとあなたが研究を通じて出そうとしている成果ということになるはずである。