3C、「名詞の扱い方」の判断のためのフローチャート | ある日、タシケント@ウズベキスタンの大学の副学長になった私の日常

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読みやすい英文を書くためには、3C(Clear 明確、Correct 正しい、Concise 簡潔)であることが重要であるという話をした。

 

リンク:3C、誰にでも伝わる英文を書くためのテクニック

 

その為には様々なことに注意しなければならないのだが、その中でも特に、私は、「名詞の扱い方」の理解が、表現や文法以上に重要だと思っている。

 

リンク:3C、実は5通り!?名詞の扱い方

 

私の知る限り、多くの人がこの「名詞の扱い方」に悩んでいるが、要するに、これは、状況に応じて、以下の5つから正しい選択肢を選ぶことができるかということになる。

 

(1)「定冠詞(the)」+「名詞(単数)」

(2)「定冠詞(the)」+「名詞(複数)」

(3)「不定冠詞(a, an)」+「名詞(単数)」

(4)「無冠詞」+「名詞(複数)」

(5)「無冠詞」+「名詞(単数)」

 

そこで、ここでは、誰もが「名詞の扱い方」を意識できるように私が考えたフローチャートを紹介する。

 

 

あなたが、ある「名詞」で表現したいイメージを、このフローチャートに照らし合わせて考えていけば、いずれかの選択肢に行き着くはずだ。

 

では、フローチャートについて順を追って説明していこう。

 

まずは、あなたが「その名詞」を用いて言及する「モノ・コト」に関し、読者とイメージを共有しているか?を考える。

 

 

 

 

 

もし、そうであるならば、その名詞には、定冠詞(the)をつける。そうでないならば、定冠詞(the)は付けないことになる。

 

 

定冠詞(the)を付けることにした場合、次に考えるべきことは、その「名詞」で言及しようとしているのは複数の「モノ・コト」か?である。

 

 

もしそうであるならば、名詞の扱いは、「定冠詞(the)+名詞(複数)」とすべきである。

 

そうでないならば、名詞の扱いは、「定冠詞(the)+名詞(単数)」とすべきである。

 

 

定冠詞(the)は付けないことにした場合、次に考えるべきことは、その「名詞」で言及するモノ・コトの一部を切り取った場合、その名詞にどのような事が起きるか?である。

 

 

切り取った一部は「その名詞」では言及されない、もしくは、その「モノ・コト」は壊れてしまうと思う場合は、あなたは、その「名詞」で言及しようとしていることを可算であると考えていることになる。

 

 

 

 

次に、その名詞で言及されるモノ・コトは世の中に無数に存在するそのうちのある一つについてか、複数についてか?を考える。

 

 

 

 

ある一つであるのであれば、名詞の扱いは「不定冠詞(a, an)+名詞(単数形)」とすべきである。

 

そうでない、つまり、複数であるならば、名詞の扱いは「無冠詞+名詞(複数)」とすべきである。

 

 

 

切り取った一部が、まだその「名詞」で言及することができるつまり、壊れない、もしくは、壊れるという概念が通用しないばあい、あなたは、その「名詞」で言及しようとしていることを不可算であると考えていることになる。

 

 

この場合の名詞の扱い方は、「無冠詞+名詞(単数)」となる。

 

 

 

「名詞の扱い方」で厄介なのは、それが正解なのか間違いなのか、実は本人にしか分からないことだ。しかし、英文の中でそこに一貫性が無ければ、その英文を書いた人の英語力が怪しいという判断を下す根拠となる。

 

もし、あなたがその点を見落としていたのであれば、これを機会に「名詞の扱い方」をしっかりと意識する習慣を身に付けてはいかがだろうか?