私は、研究で行き詰っている留学生や日本人の学生のために、企業で新製品の開発や業務改善に活用されている問題解決手法、VE・TRIZを、大学の研究かつっどうにも活用する事を提案しようとしている。
リンク:提案!問題解決手法(VE・TRIZ)を研究に応用する
これまでに、VEとTRIZの概要については説明した。
ここからはそれらが大学の研究活動においてどのように応用できるかということを述べていく。
まず、VEである。VEは対象となる製品・サービスを分析し、機能としてとらえ、そこからアイディアを創出するという手法であった。
これらを研究活動に応用するには、ほんの少しだけ、考え方を変えないといけないかもしれない。
企業においてVEの対象となるのは、製品・サービス、ないしは、それらに関連した業務ということになる。一方、これが、大学の研究室で取り組まれる研究活動の対象となると、少し話がちがってくるはずだ。
ある研究室は、自動車に関する研究をしているかもしれない。
自動車を製品とする企業はたくさん存在している。なので、こういった研究室の人がVEをそのまま活用することにはひょっとしたらできるのかもしれない。
しかし、別のある研究室では、ある物理的な現象の解明を目指して研究しているかもしれない(⇐実際にたくさん存在する)。
この場合は、特に、コストの概念との関連性があいまいになるため、特に、VEにおける価値の定義とリンクさせることが難しいだろう。
VEを研究活動において使おうとすると、特に後者の研究をしている人が混乱してしまうようだ。
しかし、私は、特に、VEのモノ・コトを、機能としてとらえるという考え方は、研究活動において、「言語」、「文化」、「分野」の壁を越えるための強力なコミュニケーションツールとして有効であると考えている。
ここで、ひとつ、あなたに気が付いて欲しい。
あなたの研究の対象は、ある「システム」であるということに。
今、私は、この、「システム」という言葉を、
『複数の要素により構成されており、それらの相互作用により、何らかの挙動を発生させる、モノ・コト』
という意味で用いている。
ちなみに、「何らかの挙動」とは、システムが、その外部のシステムに作用することを意味している。
ここで、もう一つ、強調しておきたいのは、システムを構成する要素もまた、いくつかの要素により構成されている「システム」であるということである。
どうだろう?
このように考えると、世の中に存在しているあらゆるモノ・コトは、「システム」ということになるではないだろうか?
ということは、あなたの研究対象もまた、やはり「システム」とよんでも差し支えないのではないだろうか?