立入禁止17 挿絵追加  軍管区連合時代、日本某所、集会所となっている廃デパート。 | ムカシオナガザルのwesternblack brain stool

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軍管区連合時代、日本某所、集会所となっている廃デパート。

ノオミツクヨミ(バイオアンドロイド=デザイナーベイビー。通常は月基地在住の執政官)「…あなたは…『女』を何だと思ってるんですか!」

文月のるん(二十歳)〔かっこはたちと読む。ここまで名前。以下のるん〕(同ギガンテス=支配階層)「なんだよお…公務だよ公務…僕のすることは朝起きてから、夜寝るのだって、24時間365日、一挙手一投足が公務さ」

ノオミツクヨミ「くっ…これを見なさい!(思念波でのるんが和姦した住民女性の臀部の直観像記憶像を送る。炎症で醜変している)」

「ナニコレ」

「…!(バシッ)」

「…ったいなあ!ナニするんだよお」

「痛い…痛いですか…感謝してください…。この女性はもうすぐ…感じたくても何も感じられなくなります…」

「…?」

「…?…すぐ治るならいいじゃん」

「あなた…本当にわからないんですか…?」

「なんだよお、はっきり言えよお」

「あなたという人は…。もって…一か月です」

「え…?」

「あなたは…ギ…(ギガンテスと言おうとするが、これは俗称で事実上蔑称)…『普通の人間』として生まれた以上は…『あの人たち(我々が考える普通人)』とは『そういうこと』ができない!…いえ…あなたはいいでしょうけど!あなたに『された』人は!…代謝が…細胞組織が…時空震動子レベルの『癌』で…短期間のうちに!…死んでしまうんですよ!…(間。怒りのあまり月並みの次の台詞も喉に詰まった。絞り出す)常識でしょうっ!💢」

「…え…?…そうなン?」

「…まさか…本当に知らなかったということはない…ですよね…」

「ん…でも俺は規律違反はしてないよな…」

「…!(踵を返す)」

「おい、待てって、おい!」

「(電力は通っており、エレベーターでも上がれるが、敢えて自分を罰するようにほの暗い階段を上る)…」

(フラッシュバック、被害女性)「いいんです…のるん様を楽しませて死ねるなら光栄です…私みたいのがお役に立てるなら…ただ…おこがましいとは存じますが…もしお聞き届けいただけるなら…私が死んだ後…恐れながら…配給食のペレットを…子供のお茶碗…いえ、その半分でも増やしていただければ幸せです…」

「何を言ってるんですか!治しますよ…治してって言ってください!」

「…ツクヨミ様…お優しいですね…私みたいなものに…じゃあ…もう一つだけ…ぜいたく…本当にぜいたくな…これは…夢…なんですけど弟たちを初級(教育)だけでも補教所(補助教育所。中等教育の準備学校)に上げていただければ…ああ、いえ、ごめんなさい!…申し訳ございません…」

…(階段を上りきって屋上への扉を開ける。出ると滑り台の頂上になっている。かなり大きなデパートで、店舗によっては駐車場になるような広大なスペースが丸々遊技場になっている。動物を模したゆるキャラの遊具の他、ミニステージ、ネットで囲われたミニ野球場がある。自身は月で生まれ育った所謂ルナリアンだが、共有記憶による父親の記憶がある。無人、遊具のペンキが剥げるなど荒涼とした風景に、父親が見ていた往時の繁華な風景が被ってフラッシュバックに。特にミニ野球場での草野球練習風景。やがて父親自身のプレーの記憶に。高々と上がったフライを見事にとる。拍手、歓声がかえって耳に痛い。ゆっくりと涙を流すノオミツクヨミ。心中独白)…父さん…わたし、もうあの人の下で働くの嫌…。父さん、こういう時どうしてたの…」