2019.12.7(土)

 

 寒い!

 心も寒い。

 

 

 先日、海外にオペラなどをよく見に行く知人たちと話をした。

 

 海外では、歌劇場などは「社交の場」だという話になった。

 

 日本でよく見かけるように、席に座っているお客さんの

前を通る時、お尻を向けて通るということは、海外では

失礼な行為となる。

 

 「社交の場」なのだから、お尻ではなく、お客さんに

顔を向けて、すりすり横歩きするイメージ。

 

 「グッド・イブニング~~~」とか何とか言って

ニコニコすり抜ける・・・

 

 社交の場なんだから、隣の席、近くの席に誰がいるのか

わからない・・・、顔さえ見ない・・・というのはあり得ない。

 

 というか、この場合、座っているお客さんが立って通

すのがマナーだという意見も出た。

 

 でも、立ったお客さんに顔を向け、横歩きすると、

「半沢直樹」みたいに、顔と顔が接近してしまうが、

どうしたらいいんだろう。

 

 その場合は、やはりお尻を向けて、横歩きか?

 

 いや、ハグをする国なら、正面向いても違和感はな

いのか。

 日本ではハグはしないから、無理なのか。

 

 よくわからない。

 

 ・・・・・・

 

 問題は、そこではなく、客席に座って、隣の見ず知ら

ずのお客さんと、どういう関係を作るか・・・、ということ。

 

 バレエ公演の時、私と同様、一人で見に来ている

ご婦人と隣り合い、休憩後など、周りに人がおらず、

そのご婦人と二人だけになるということがよくある。

 

 こんな時、イタリア人だったら、すぐ声をかけるだろうし、

声をかけない方がかえって失礼になるような気がする。

 

 日本でこれをやると、「変体おやじ」と思われそうで、

私は今まで声をかけたことがない。

 

 ・・・・・・

 

 私の尊敬していたある先輩は、どこでも誰にでも、

すぐ、自然に声をかけていた。

 きわめて自然に・・・

 

 エレベーターに乗って、狭い個室に赤の他人と3人くら

いだけになった時の、あの何とも言えない沈黙の時も、

すかさず「寒いですね」とか何とか言って、ごく自然に雰

囲気を作っていた。

 

 本当に尊敬していた。

 

 私も、やってみたい。

 

 でも、クラシックオタクむき出しのおやじには声をかけ

にくい。

 

 そもそも、クラシックオタクの間に、コンサートが「社交の場」

という意識は感じられない。

 

 バレエ公演だと、ご婦人も和服で来たり、おしゃれして来たり、

気合が入っている。

 

 来週から、連続4回、バレエ「くるみ割り人形」があるので、

その時は、この「声掛け」にトライしてみよう。

 

 最初は、「寒いですねぇ~~~」だけでいい。

 

 

 あらためて、「社交の場」デビュー

 

 初めの1歩・・・

 

 

 

 次回予告

 ベニ―の千夜一夜コンサート日記 第288夜

 2019.12.11(水)N響定期 カサド

 周りは、コテコテのオタクばっかり・・・