ちいさな、おはなし。 -93ページ目

やさぐれバットマンと対決す。

土曜日、朝8時。
少年野球チームの練習のために借りているグラウンドにて。
このグラウンドは小学校のそれとは違って目一杯広いので、
「ここでしかできないこと」をたまにやる。

最近、我が5年生(新6年生)チームの子どもたちを専門にみてくれている「木枯らし紋次郎」ことやさぐれバットマン。元社会人野球選手だ。

子どもたちを外野で守らせ、久しぶりにオトナ対決をやることに決定。

紋次郎「あんた投げろや」
自分「ウッス」
紋次郎「負けねえぞゴルアむかっ(怒り)」←目がヤバすぎるあせあせ(飛び散る汗)

最初の2球は球がばらつく。
紋次郎「ストライク入んねえけど、この前よりちったあ速えなw」

焦った自分、渾身の力を込めて第3球。内角をえぐってストライク。
紋次郎「正直、手が出ねえな今のは(汗)」←意外に素直で可愛いとこある。
自分「ふっふっふ(内心うれしい)」

第4球もバシっと決まり、紋次郎イラツく。
第5球、紋次郎とうとうバットに当てるも、凡フライ。

気を良くした自分の6球目。

いきなり内角に食い込んだ球が紋次郎の足下を襲う。
バチン!「うわテメいてえ」

当てちまった(笑)

「俺のよけ方がヘタだったよ」などと言いつつ紋次郎、痛がりながらも大爆笑。僕も謝りながらも大爆笑。子どもたちも大爆笑。

気を取り直して第7球。
球は、内角高めへ。

乾いた音とともに、
全盛期のイ・スンヨプよりも高橋由伸よりも豪快なバッティングフォームで、
紋次郎は思い切り打球をすくい上げた。

広い広いグラウンドのライト側フェンスを越え、打球が到達した場所は。


ナイター設備の照明灯の鉄柱。

あれの、
照明灯にもう少しで届こうかという場所の、
そのど真ん中にズゴーンって。。。orz


その日、紋次郎は一日中子どもたちとの練習につきあってくれた。
本来はタクシー運転手の仕事が忙しいのだが、我がチームの子どもたちのことが気になるらしく、最近はずっとめんどうを見てくれているのだ。

帰り道、彼に「足、すんません、大丈夫っすか?」と聞いてみた。

すると紋次郎は、自転車をこぎながらこちらを振り返り、
ユニフォームの左足部分をたくし上げた。

輪っか状に腫れ上がり、内出血を起こしたふくらはぎを見せながら、
彼はニヤリとして言った。

「痛えよバカw」