ちいさな、おはなし。 -101ページ目

やさしさに包まれたなら

「全てはかりそめであると知れ」

という言葉を目にしたことがある。
なるほど、よい時も悪いときも、そういったものなのかもしれない。

甘い生活はそう長くは続かないし、
逆に、
つらい日々は辛抱していればいずれ抜け出すことができる。

何もしないのは「いまを生きていない」証拠、という人もいるかもしれないが、必ずしも常にそうとは言えないだろう。

なんだかダラダラと無為に過ごしているように見えても、
それは、長い冬を、餓死しないように、凍死しないように、じっと堪えて過ごすための本能、その本能がそうさせている場合もあるのではないかと。

何かに悩んで、眠れない夜を過ごしながら朝を迎えたときの絶望感は言葉で表しようがない。今日もまた生きなければならないと。

しかし、
たまたまその日の昼飯が美味しかった、たまたま気の合う同僚と話して楽しかった、たまたま好意的な人と笑顔で話せた、たまたま見かけた花が美しかった、
たまたま道行く犬が可愛らしかった。。。
そういう何かのきっかけがあって、明日もまた生きてゆける。

そんなものではないだろうか。

何かに感謝したり、何かを愛したりすることも大切だろうけれど、
すべてがかりそめであるとすれば、
そのかりそめの物事に、いちいち心を震わせる。
それがいいのかもしれない。


◇◇

この曲は自分にとっての「リセット・ソング」みたいなもの。

やさしさに包まれたなら