◎新日本フィルハーモニー交響楽団 定期演奏会#621 ジェイド<サントリーホール・シリーズ> 7月2日19:00@サントリーホール

指揮:下野竜也 テューバ:佐藤和彦(NJP首席テューバ奏者)

フィンジ:弦楽オーケストラのための前奏曲 ヘ短調 op. 25
ヴォーン・ウィリアムズ:テューバ協奏曲 ヘ短調(テューバ:佐藤和彦)※変更なし
ベートーヴェン:交響曲第 6 番 ヘ長調 op. 68 「田園
※下線部分が当初の予定より変更になった箇所になります。(新日本フィル公式HPより)


ついに私の今の推し団体である新日本フィルも復活!

当日はエクストンが音声収録を担当するライブ配信も実施。

こういう部分にこだわりと配慮があるのも新日本フィルらしい。


さて、今日のメインイベントはなんと言っても佐藤さんのチューバ!

(高校・大学通してコントラバスと同時にチューバも吹いてた。)


冒頭のフィンジは、素晴らしい選曲。

去年、広上×日フィルでエクローグを聴いたが、

本当にこの作曲家の曲は心に沁み渡るし、余韻がすごい。

フィンジももっともっと演奏機会に恵まれるべき作曲家だ。


さて、当の佐藤さんのチューバ。

ヴォーン=ウィリアムズの曲で、前半はイギリス、

しかも田園を彷彿とさせるプログラムもセンスがいい!


佐藤さんのチューバ。

…うーむ、自分が吹いていたのが本当にチューバだったのか

激しく疑わしくなったww

別次元の美音で、ほとんどホルンみたい。

1楽章や3楽章での、響きや透き通った美音が保たれながらの

速いパッセージでの超絶技巧ももちろん舌を巻いたのだが、

一番驚いた(…というより衝撃を受けた)のが、2楽章のロマンツェ。


プロに求められるのが歌心であって、

ただテクニックだけでは究極の説得力のある音楽は生み出せない。

そんな凄まじい、朗々とした歌い上げだった。

やっぱり、プロってすごい!


メインの田園は、最近進化しつつある新日本フィルの

美しい弦楽を十二分に楽しめた。

また、3楽章のホルンを、2番までしっかり響かせていたのは個人的にツボ。

気を衒うことなく折り目正しい演奏ながら、

時折「おや?」と思う仕掛けをする下野さんのタクトは、ブラボー!

また、「自然に対する感謝」を歌い上げた

これほど切々と歌い上げた演奏もそうない。

コロナ禍にあって、楽員にも思うところがあったのだろう。