指揮:下野竜也 テューバ:佐藤和彦(NJP首席テューバ奏者)
フィンジ:弦楽オーケストラのための前奏曲 ヘ短調 op. 25
ヴォーン・ウィリアムズ:テューバ協奏曲 ヘ短調(テューバ:佐藤和彦)※変更なし
ベートーヴェン:交響曲第 6 番 ヘ長調 op. 68 「田園」
※下線部分が当初の予定より変更になった箇所になります。(新日本フィル公式HPより)
ついに私の今の推し団体である新日本フィルも復活!
当日はエクストンが音声収録を担当するライブ配信も実施。
こういう部分にこだわりと配慮があるのも新日本フィルらしい。
さて、今日のメインイベントはなんと言っても佐藤さんのチューバ!
(高校・大学通してコントラバスと同時にチューバも吹いてた。)
冒頭のフィンジは、素晴らしい選曲。
去年、広上×日フィルでエクローグを聴いたが、
本当にこの作曲家の曲は心に沁み渡るし、余韻がすごい。
フィンジももっともっと演奏機会に恵まれるべき作曲家だ。
さて、当の佐藤さんのチューバ。
ヴォーン=ウィリアムズの曲で、前半はイギリス、
しかも田園を彷彿とさせるプログラムもセンスがいい!
佐藤さんのチューバ。
…うーむ、自分が吹いていたのが本当にチューバだったのか
激しく疑わしくなったww
別次元の美音で、ほとんどホルンみたい。
1楽章や3楽章での、響きや透き通った美音が保たれながらの
速いパッセージでの超絶技巧ももちろん舌を巻いたのだが、
一番驚いた(…というより衝撃を受けた)のが、2楽章のロマンツェ。
プロに求められるのが歌心であって、
ただテクニックだけでは究極の説得力のある音楽は生み出せない。
そんな凄まじい、朗々とした歌い上げだった。
やっぱり、プロってすごい!
メインの田園は、最近進化しつつある新日本フィルの
美しい弦楽を十二分に楽しめた。
また、3楽章のホルンを、2番までしっかり響かせていたのは個人的にツボ。
気を衒うことなく折り目正しい演奏ながら、
時折「おや?」と思う仕掛けをする下野さんのタクトは、ブラボー!
また、「自然に対する感謝」を歌い上げた
これほど切々と歌い上げた演奏もそうない。
コロナ禍にあって、楽員にも思うところがあったのだろう。