◎東京都交響楽団 第879回 定期演奏会Cシリーズ 【ディアギレフとロシア・バレエ団へのオマージュ】 2019年6月8日14:00@東京芸術劇場コンサートホール


指揮/アレホ・ペレス
ピアノ/長尾洋史 *
メゾソプラノ/加藤のぞみ **


ストラヴィンスキー:バレエ音楽《ペトルーシュカ》(1947年版)*

ファリャ:バレエ音楽《三角帽子》(全曲)**


久々に、都響成分が足りなくなってきたので補充にww

あの美しい弦のアンサンブルを、ごくたまに渇望するときがある。


本当は、今日休みが出来たところで

ヴァイグレのサロメを観に行きたかったのだが

今日に限って貧者の席は完売…。

それ以外の公演は余ってたのに……。


それなら、ということで、大好きな2曲のプロだし、

池袋から原宿まですぐ移動してN響聴けるし…。


という流れで本日の都響鑑賞に至ったわけだ。


来て正解だった。

めちゃくちゃ楽しめたし、脳にスリリングな

スポーツ系演奏でした、久々にww


ペレスはザルツブルク音楽祭にもデビューして、

じわじわと欧州でも売れ出したアルゼンチンの指揮者。

どんな指揮者か?調べてみると…



こちらはオランダのアブロの公式から。

なかなかやるじゃん!

この時期水準なら期待大。

…結果期待通りだけど、やや課題も。


前プロのペトルーシュカは

…うほっ、ガンガン鳴らすし、すっげーキビキビ動くね、この人w

このタイプの指揮のキビキビさは以前聴いた

パブロ=ヘラス・カサドを彷彿とさせる。

ただやや、気にならない程度ではあったけど、

指揮のキビキビさに都響がついていけてない感があり、

さらに間の取り方の落ち着きのなさが若干ネックになっていたかも…。

でも久々に煽り系ドS指揮者!!

そうそう、ちょっとこういう指揮者で目を覚ましな!

…的な招聘ではないだろうがw


ペトルーシュカは冒頭から極彩色で、

ピッチが整って、色彩豊かにうま〜く音が混ざる。

混ぜ方や配分はさておき、大阪までは再上陸したが、

東京の名門オケから消え去った某アンセルメの弟子の様。

※しつこいです、こういうところww


ただねー、やっぱりせかせかした指揮のせいか、

オケの緊張が抜けない感じなんですよねー。

その煽りを一番喰らっちゃったのが、ペットの岡崎さん。

前半はそりゃ〜もう、

「今日のヒーローインタビューはこの人ですか…!?」ばりに

ガツガツオケをリードする吹きっぷり。

指揮者もこのせいかノリノリで煽るけど、

…え?この後3場でソロあるけど大丈夫??

ハラハラしながら観てた。

だってこの日、ペットファーストにアシはおらず…。

ざわ…ざわ…



あーっ……


やはりですかあ…。

岡崎さん盛大にトチってしまってる…。

それでも原型を留めたのは職人オヤジの矜持だろう。

…岡崎さんの名誉のために言うが、

彼は断じてこのソロ、このレベルが本調子じゃないからねっ!

そりゃアシなしで第1〜2場であれだけ吹かせられたらそうなる。

今回は指揮者が悪い!ww


…とは言いつつも、これだけの極彩色を引き出し、

天下一品の都響のアンサンブルから実験的に

限界まで音を引き出そうとしたサディズム

ゲフンゲフン、チャレンジャー精神には敬意を評したい。

長尾さんを半分ソリストにしたピアノも◎


さて、後半の三角帽子。

コレは名演!

音のシャワー!

しかもあの優秀な都響のアンサンブルで!

何というゴージャスで贅沢な音楽体験だったことか…!

冒頭の「はいっ!はいっ!はいっ!」も

無駄に上手くて逆にシュールww


加藤さんの粉屋の娘の歌も艶と太さがありお見事!

特に圧巻だった終曲は、音の洪水!

3階席の奥に座ってた自分にもビリビリ伝わる音圧。

…コレよ、コレ。

都響が爆発したときのこの音浴びをしたかった。

これには(煽られた都響の楽員には悪いがw)

大いに満足。

確かにまだ若く、解釈や間の取り方に青臭さのあるペレスだが、

ちょっぴりフルシャが都響にデビューした当時を思い出した。


ちなみに、今日は金打楽器は素晴らしいパフォーマンス!

岡崎さんも後半は回復!

さすが、都響の誇るトランペット親父ですw