◎ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2019@東京国際フォーラム(後編)


前編からだいぶ時間が開いてしまった。
…というのもGW明けの仕事が絶望的なまでに激務で…。

というのは言い訳ですがww
実はこちらの後編の方が大名演だったのですよ…。
やっぱりLFJは好きなアーティスト、
好きな曲目を決め打ちしていくに限ります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

#342 5/5 12:00@ホールC

矢代秋雄:交響曲

新日本フィルハーモニー交響楽団
井上道義


大名演!
こういう演奏を聴くとき、東京フォーラムのアコースティックなど全く関係ない。
矢代秋雄を初めて聴いたのは、確かピアノ協奏曲。
今回、交響曲は、予習はしたとはいえ、完全に初聴き。
予習したときは、そんなにピンとくる曲ではなかったのだが…。

第1楽章は割と短めだが、確かにフランクの影響がわかるような、
割とくらい、硬質なフランスの交響曲。
第2楽章は流石の川瀬さんのティンパニ超絶技巧。
(この曲芸がこの後伊福部でも炸裂!)
第3楽章。も〜う、これがたまらなく美しかった。
なんなんだこの交響曲!
新日本フィルの弦の繊細な透き通り加減と、
やはり木管のアンサンブル、特にイングリッシュホルンの美音たるや…。
キモい話だが、聴きながらアヘ顔になりそうなほどの美しさ。
最近このオケは完全にヲタ用マイナー交響曲になると絶大な威力を発揮する。
もはや、このオケメインで東京で近現代の知られざる曲を発掘するような、
ちょっとマニア向けの音楽祭ができるのでは?
…そう思うくらい、曲への対応力が在京の中でも抜群になりつつあるような気がする。
(裏を返せば、これが集客の苦戦原因かもしれないが、
確実にコアなリピーターやファンは増えたと思う。)
第4楽章はミチヨシズム炸裂!
とにかくガンガン盛り上げて、最後は客席にくるっ、と振り返ってfin!
マイナー曲にもかかわらず大喝采!!

…うー、正直同じのあと3回くらいお替わりしたいくらいww


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

#344 5/5 15:30@ホールC

伊福部昭:二十絃箏とオーケストラのための交響的エグログ
伊福部昭:日本組曲から 盆踊、演伶(ながし)、佞武多(ねぶた)

滝田美智子
新日本フィルハーモニー交響楽団
井上道義


お昼に続いて同じコンビで伊福部昭。
あれだけの演奏を聴いて、極度の満足状態だったため、
あとは野となれ山となれといった気分で突入!w

まず、CDでしか聴いたことがなかった交響的エグログ。
これはひたすら伊福部のオーケストレーションの妙が楽しめた。
伊福部にしては原始的なリズムや極端なオスティナートがなりを潜めるこの曲。
雅楽の篳篥や笙の音を見事にオーケストラで再現する。
けどミッキーさんの伴奏はなかなか熱く、
この曲が単純な箏協奏曲として終わらない、
「交響的」がわかる演奏だ。
滝田さんの箏も、ビックリ!
箏ってこんなに高速超絶技巧ができるものなのか…。
(和楽器、全く疎いもので…)

そして待ってました!日本組曲。
冒頭から指揮者が盆踊り始めて吹きそうになったwww
ミッキーさん、盆踊りしてるようで、絶妙にアインザッツ出してて、
コレはもはや指揮者のバトンテクニックの超絶技巧認定していいのでは…!?w
個人的には1曲目の盆踊りに全部持っていかれて、
残りが逆に面白く見えなくなる異常事態発生www
だって終曲のねぶたもわりかし真面目なんですもん…。
最後はもちろん大喝采!
のみならず、ミッキーさん、カーテンコールで
客席の拍手を指揮して一本締めを成功させる快挙!www

…もはや何が何だかwwwwww
とりあえず滅茶苦茶楽しかった、という余韻で脳内が支配されて会場を後にしました…。


…さて、今日は同じく新日本フィルで、
3月のマーラーの快演以来の上岡監督のワーグナー祭りです。
こちらも何が起こるかわからない…!
写真は会場の東京フォーラム。