ここ最近、箱型ミニバンにさえ乗らなければ起きなかった死傷事故が起きています。
かねてより申し上げてきたとおり、箱型ミニバンは普通乗用車の中では最も危険な車種のひとつであり、転びやすく潰れやすいです。
天井広〜い = ブッ潰れやす〜い ってことです。
また、モノによっては車両重量に見合った部品が使われていない事も多く、ブレーキやステアリングが困難な場合も多いです。
先だって道内某所で起きた事故では、セダンやツーリングワゴンでは横転しない状況で横転していました。
これにより乗員全員が搬送されました。
この事故、実はフロントウインドウからでないと救出できないというかなり深刻な大惨事でしたが、地方ニュースにとどまってしまいました。
リアハッチも他のすべてのドアも開かず、フロントウインドウをこじ開けて救出しました。
出火していた場合は、かなりの人数が亡くなっていたと思います。
最近の箱型のミニバンは、多少は横転しにくくしようとして横幅を広くしています。
しかし、これにより狭い本州の道路で事故を起こしやすくなっています。
本末転倒ですね。
喜ぶのは修理するディーラーや新車を売るメーカーだけです。
箱型ミニバンのユーザーさんたちは、このビジネスモデル(?)にいつまで乗っかり続けるのでしょうか。
また、そもそも最近の箱型のミニバンも重心が高い事は変わらないため、ツーリングワゴンと比べて圧倒的に横転しやすい事には変わりありません。
かつては5ナンバーのツーリングワゴンやセダンが主流でした。5ナンバーより多少は広げて良いと思いますが、こういったものが本来本州の狭い道では必要なのではないかと思います。
危険すぎて海外では販売できないような箱型ミニバンは、せめて衝突安全評価を最低にすべきではないでしょうか。
横転した車を助けようとして亡くなる方が出てしまうほど、横転というのは深刻な事故です。それは、すぐに助けないと焼死する可能性があるからです。
しかし、この国では衝突安全評価であまりにも横転を軽視しすぎている。
もっと衝突安全の横転の項目を厳しく評価すべきです。
側面衝突試験時にタイヤが30cm以上浮いた車は最低評価にするとか、何メートル動いた車は最低評価にするとかした方がいい気がします。
むしろ別枠で超危険な車として定義すべきです。
今は多人数乗りの車は箱型ミニバンよりも安全なSUVや多少は重心が低いミニバンなどの選択肢があります。
サイコロのように転がる箱型ミニバンを選ばなければならない理由は、現時点では見つからないように思います。
物理を必修にしないから難しい物理は敬遠され、重心が理解できない人が増え、危険な車に平然と乗る人が多い国になってしまいました。
物理を必修にした方がいい気がしています。