会社とは、そもそもどんなものでしょうか。

会社とは、長期的にみて会社や株主の利益を最大化するものです。

ボランティアやNPOではない通常の利益追求型の会社は、通常は会社の利益や株主利益を最大化しますので、お客様にご満足いただくのも結局は会社のためです。

だからこそ、片方しか得しないようにみえる事業は、そもそも事業として続きません。


さて、今回は少なくない方々が時計を溶かした某サービスの内容を振り返ってみましょう。


【ヤバい点1】

報道によると、300万あたり6万が一月あたりに入っていたとのことです。

つまり、月当たり2%、年間24%ものお金が入るということになります。

つまり、預託金だけでたった4年と少しで本体価格を上回るということになります。

なお、月額利用料は150万以下で約4万円。

今回のケースが仮に300万×2の場合は、会社に入る粗利が約2万となるわけです。

月額利用料ベースですと、3年過ぎた頃に本体分の元を取れることになります。

借りる人がいるでしょうか?それだけ払える人なら金を貯めて買うでしょう。

また、会社もワザワザ一般人から借りる理由がありますか?

借りるよりも買った方が利益が取れますね。個人的には借りる必然性が無いと思います。


【ヤバい点2】

借りたものを返すときには、現状復帰が必要です。

時計を傷つけたなら、修理して返す必要があります。

例えばガラスが傷ついたならガラス交換、メタルバンドが通常の使用によるものではないひどい傷がついたなら傷ついたコマを交換となるでしょう。

その料金は利用料から出る仕組みだったそうですが、これだけの薄利で出せるものでしょうか?

そもそも、こんな薄利では無理だと思います。


【ヤバい点3】

そもそも動産について、消費者と消費者をマッチングするのはリスクが高すぎます。

現状復帰をどこまでやるのか、壊した際修理費用が中古価格を上回ったときどうするのかなど、問題だらけです。

不動産なら火災保険などがありますが、壊れやすい時計なんかはなかなかそうもいきません。

不動産でも通常の使用での壁紙などの傷は使用者は補償しなくて良いことになっています。

これは時計も同様ではないかと思います。

もしも多少傷つけたものを直したとして、新しいコマと古いコマがツギハギのようになると思います。

ずいぶん不格好になりそうですね。しかし、一応直しているので問題はないでしょう。

時計がそんな状態になっても文句が言えないようなサービスに、誰が時計を預けるというのでしょうか?


【ヤバい点4】

利用した人の書き込みがほぼ見つかりません。

地方のマイナーな飲食店や雑貨屋ですら何らかの口コミがある事が多い世の中で、これだけ有名なサービスが何の口コミも無いのはおかしい話です。

サービスの実態が無いと判断できると思います。


【まとめ】

預託者しか得しないようなサービスを会社がやるという触れ込みが、そもそも矛盾しています。

これまで挙げてきた矛盾は、ちょっと調べるだけですぐに見つけられる情報です。

だからこそ、これまでに取り上げてしまったメディアは大いに反省しなければならないと思いますね。


CMは、基本的には売りたいからこそやるものです。

しかし、実際に利用するときは、そのウラまで考えておいた方が良いように思います。

もし裏を取らずに利用する際は、諦め切れる範囲内の金額にしておいた方が良いでしょう。