セクハラ被害経験者の立場から申し上げます。
セクハラ、これは罪です。
そして被害者は女性だけというわけでもありません。
今回は私の男性としての経験を語ることを通じて、男性の方にセクハラとはどんなもんじゃとご理解いただけたら幸いです。
以前チラッと記したことがありましたが、私はたくさんの人間の管理職でした。
ところが、その職場のパートの賃金は最低賃金レベルに低く、面接にも様々な方々がいらっしゃいました。
労働者には賃金に対する不満があるなかで、辞める方も少なくありませんでした。
私にできたことと言えば、せいぜいできる限り労働時間を分単位で算入されるよう調整することや、人間関係を良好に保つことでした。
しかし、世の中色々な人間がいます。
例えば生涯のパートナーに対して不満を持っていて、「火遊び」しまくる方もいるわけです。
そのような方々が、人手不足の状況を利用し、管理職に対して「辞めちゃおっかなー。」という前置きをした上で「彼女いるの?大丈夫だよバレないし。ホテルいかない?」等と枕を要求してくることもあるわけです。
そのように軽く脅されたらどうすればいいのでしょうか?どう言えば正解で、どう言えばすべての人間を守れるのか、とてつもなく悩みました。
答えは、「完全なる正解はない。」といえますね。
相手は妊娠・性病・離婚などのリスクを全く度外視した方でしたので、その時は自分を守るしかありませんでした。
私は信頼関係ができていれば、男女の欲望は生じ得ないと思っていましたが、間違いだと気付かされました。
確かに相手の女性は私を信頼してくださっていましたが、ヤりたいとも思っていたのです。
その時は「今の会話は他の人にも話さないから。聞かなかったって事で良い?別に辞めるならそれはそれで良いし止められないよ。そんな権限ないし。」と言い、何とか欲望を萎えさせました。
それから、「僕」は、とことんオバハンの言い回しを真似るようになりました。自分の事も「アタシ」と呼びました。「やだも~。」とか気が付いたら自然に出てて、パートさんたちに「オバサンくさっ(笑)」とか笑われるほどでした。
みんなが好んで身に付けているものとか色々真似ましたし、現場ではスーツをやめました。身だしなみを乱さない程度にダサい格好にしました。
(その後、私にヤりたいと言った方は最終的には辞めました。)
セクハラについては、以降、キッチリと対応することにしました。
相手の生活を考え、刑事告訴はしなかったですが、「他の誰かにやって警察いかれたらお縄になること」、「その人の価値観から納得できそうな言葉」、「自分も嫌だからやめてほしい事」を笑顔を見せずに言うようにしました。
徐々に自分が色目で見られることはなくなり、ケツを触るとかキスをするとか身体を触らせるとかそういうセクハラもなくなりました。
普段は割と笑顔の多い人間なので、冷静かつ笑顔のない指導に効力が生まれていたのかもしれません。
何故か一部のパートさんたちからは「みんなのお父さん」と呼ばれるようになり、退職する頃には涙の別れとなる方もいました。
さて、男性で管理職という立場からしてもこれだけイヤなセクハラですが、女性の立場となると、「力で勝てないかもしれない」という恐怖心がプラスされてしまうのではないでしょうか?
また、上司などの力をもったヒトからの欲望の擦り付けをされた場合は、「強く言いたいがその後どんな冷遇を受けるだろうか」という不安もあると思います。
そんな時は、上司の上司を越え、社長などに直訴するのもアリです。
それで解決しないなら集団で辞めることを前提に交渉するなどし、それでも解決しない場合は辞めるしかないですね。
不倫が大好きな「非文化的なヒト」とは、住む世界が違うので、一緒にいても疲れるだけです。
段階世代の退職が落ち着きつつある今のうちに、良い職場を探すのもありでしょう。
人生の重要な選択ですので、状況をよく考えて、最適な選択を組み立ててください。