わが家の周りは、

いわゆる新興住宅地で、

子供たちが走り回っていた、

賑やかな時を経て、

今はいわゆる高齢者ばかりの、

静かな、淋しい街並み・・・

 

お隣のお宅も、

二年前にご主人が亡くなった。

わが家の夫より2歳ほど若かった。

 

気難しい人だったけど(らしい、けど)、

うちの犬や猫を可愛がってくれたり、

子供たちにもよく声をかけてくれてた。

 

先日、

奥さんんと久しぶりにゆっくり話した。

彼女は私と同じ年。

息子たちも遠くに住んでいて、

今は一人で暮らしている。

 

「お礼なんか言ったことない人だったけど、

最後に、ありがとう、って言ってくれたわ」

「キツイ人だったけど、

唯一優しさを残してくれたとしたら、

長く患うことなく、すっと逝ってくれたこと」

と、彼女。

きっと本音。

 

そして、

「これから先のこととか、いろいろ考える?」

と聞いた私に、

「ううん、もう一日一日を感謝して生きてるの。

先のことなど考えない。

ああ、今日も一日無事に終わったわ、ありがたい」

と。

 

なんか、私も、ハッとして・・・

 

その日その時を大切にして生きよう。

今日もこうして、

一日を終えられたことを、

感謝しよう。

急がない、焦らない。

 

ゆっくりと。

ゆっくりと。