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惠林寺の庭では今年も海紅豆(かいこうず)の花が咲きました。一般にはアメリカデイゴと呼ばれ鹿児島県の県木となっています。四歳から東京都の片田舎で育った私は、この40年ほど愛知県に住み続けていますが、生れは九州です。今から25年ほど以前、初めて郷里の鹿児島県日置郡東市来町(現・日置市)に帰郷したところ、親戚の方が私を山や海辺に案内して下さり、あちこちで赤い鮮やかな花をつける樹木に興味を持ちました。訊ねると「あれは海紅豆(かいこうず)です」と教えてくれました。12年ほど以前、四国高松の知人から、その苗木を譲って頂き、その後毎年、この時期になると紅い大柄な花びらを幾つもつけて、咲いては散り、咲いては散って三か月ほどお寺の庭に花を降り注ぎます。
 お経の中に「曼荼羅華を雨ふらして、佛及び衆生に散ず」とあります。曼荼羅の華とは何だろうかと疑問に思っていたところ、意外な所から回答を得ました。「マンダーラヴァ華mandhārava-pupphaは『曼荼羅華』と書かれ、天の華としてたたえられている・・・マンダーラヴァはインドではErythrina variegata(あるいはErythrina indic)である。天国の五聖樹の一つとされている。・・・・・極楽浄土でもマーンダーラヴァの雨を降らせる。その木は現実の植物界にあてはめるとデイゴという木である。(中村元訳註『ブッダ最後の旅』より)・・・ここでようやく曼荼羅の華とはデイゴの事だと分かりました。
 デイゴ(梯梧、Erythrina variegata)はマメ科の落葉高木。インドやマレー半島が原産。日本では沖縄県が北限とされ、春から初夏にかけて咲く赤い花が有名。沖縄県の県花でデイコ、エリスリナともいわれるそうです。
 惠林寺の海紅豆はデイゴではなく、アメリカデイゴですが、やはりこのお寺の庭に曼荼羅の華を降り注いでいるように思えます。