写真家・石川賢治さんが、
月光写真家となってからすでに四半世紀。
私たちは、すべてのものを、光、もしくは光の反射とその陰影で目にしています。
快晴の満月の夜、あたりに街の灯がない海辺などだと、意外にも砂浜や波が見えることに驚きます。(ガス灯が発明される前の地球は、いつでもそうだったんでしょうね)でも、満月でも、
太陽の46万5000分の1しか光量がないんです。つまり、目というのはたいへんに精巧なシステムで、わずかな光にも反応するのでしょうね。
しかし、写真となるとそうはいきません。とくにフィルムでは。
石川さんは、ハワイでの満月の夜の美しさを見て、なんとか写真に撮れないかと思ったといいます。
しかし、アナログ光度計の針はピクリとも動かないし、ポラでもまったく写らなかったといいます。写真を撮る基本技術が使えない中で、なんとかして撮った月光写真の幻想的な美しさに、石川さんは感動しました。
「宇宙と繋がっているような感覚」だったとおっしゃいます。
▲どうですか、たしかに月がそこにある、そんな感じもしませんか?
しかし、この月光写真、満月の前後2,3日しか撮れないんだそうです。
撮影中に、車のライトが来たらダメ。電車が通って地面が揺れてもアウト。だいいち快晴じゃなければ、撮れません。世界で一番効率の悪い写真撮影法だと、石川さんは笑います。
売れっ子広告写真家だった石川さん。
じゃあ、趣味のように満月の時だけ撮影しているんですか?と思ったら、広告写真の世界は足を洗ってしまったのだとか。「だって何十人ものスタッフ、キャストのスケジュールを合わせて撮影日を決めるんですよ。ぼくだけ満月はだめだからとは言えないでしょう?」
こうして、修行のような月光撮影を初めて25年。世界中を旅されています。
石川賢治しか撮れない。月光浴はそんな世界です。
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