「1」 | 我ここに在りてここに無し

我ここに在りてここに無し

青きBOUGAの果て

ひとりごとのように

詩と小説を書き綴ります。

何か心に響くものがあれば

それだけで。





一月の東北。


時折陽が射す空の下屋根の雪がほんの少し溶け始め、朝晩の冷え込みでツララは成長していく。



2014年1月29日。



五大奎吾(ごだいけいご)は厚手の掛け布団の中で蹲(うずくま)っていた。


自分がなぜここにいるのかさえ、どうでもいいと感じるほどの朝だった。


目を閉じたまま、蹲(うずくま)っていた身体を、殻をブチ破るほどの力で一気に身体を伸ばした。


序章は、反転したかのように最終章を自分の目の前に広げていた。


こんなはずじゃなかった。


こんな場所で蹲っている自分を認めることを避け、否定したまま布団から出た。


裸のまま太陽を見つめ何も纏(まと)わず、太陽の陽で焼き尽くすかのように太陽の光に全身を向け眼(まなこ)を向け見開いた。



「ちくしょー。なんで俺がここにいるんだ」



そう呟き、大の字を描くように立ち大きな声を出し叫んだ。



「ああぁぁぁぁぁーーーーーーーーちくしょーーーーー」



いったい、この男に何があったのか。



五大奎吾。



最終章からの序章。




太陽は彼の素肌を焼き尽くすマイナス10度の朝。



時計は朝6時半を過ぎていた。