幸せに
なりたいと
叫ぶ
言葉の意味など
考えなくても
いい
ただ
幸せに
なりたいと
叫ぶ
胃袋から
声を
絞りだし
腕を
震わせ
両目を
見開き
幸せに
なりたいと
叫ぶ
自分を
騙し続けた
鈍感な
嘘は
意識に
浮揚しない
まま
心を
記憶の
飽和へと
導く
やがて
人は
歯を
食いしばり
口元から
嗚咽(おえつ)を
漏らし
幸せに
なりたいと
叫ぶ
壁に
もたれ
うつろな
夢の中で
幸せを
抱き締めようと
喘(あえ)いでも
何一つ
手の届く
ものは
無く
意志は
愛と現実の
中にしか
幸せを
見せないと
言葉を
投げる
人は
幸せになりたいと
願う
そう願わぬ
人間など
いない
しかし
愛も知らず
幸せも知らず
意志を
役割に
すり替えてきた
人間にとって
心を
吐露(とろ)する
ことは
振り返る
過去の中に
絶叫と沈黙を
繰り返させ
矛盾を生む
愛が
矛盾の塊なら
現実の中に
生きる
幸せも
矛盾でしか
ない
幸せという
言葉に
背を向け
歩き続けることに
深く沈み
三角の空を
見上げ
無情を
詠うことに
自らの
意志を
投げ続けても
愛と現実は
幸せを
掴もうと
しない
どこに
幸せが
あるのか
いや
確かに
ある
掴もうと
するものにだけ
叫べ
動け
僕よ
現実の中に
君の愛を
掴め
幸せは
その先に
ある






