不幸な時代は
単純に
生きる
幸せな時代は
複雑に
生きる
不幸な時代は
生き延びることしか
考えない
幸せな時代は
死を
考え始める
殺生与奪の
権力は
医学に委ね
生が死を
前提に
していることに
人は
目覚め始める
二つの
極相
人は死ぬ
我もまた死ぬ
絶対的な
確実さを持って
全ての人間に
与えられている
しかし
いま生きる
人間
誰一人として
死を
知らない
誰もが
知らず
決して
知ることの
無い
世界
人の死を
持ってしても
自らの
体験に
重ね合わせる
ことは
出来ない
だからこそ
今を
生きる人間は
人生を
何らかの
意味で
満たそうと
もがき
あえぎ
苦しむ
誰もが
あると
知っていながら
誰一人
触れることの
出来ない
心と時の
世界に
結び付けようと
する
人間とは
不思議であり
これほど
興味深い
生きものは
無い
僕も
君も
きっと
人間が
好きなのだろう
僕の生きるは
君で
満たされる
愛という
意味で


