20. | 我ここに在りてここに無し

我ここに在りてここに無し

青きBOUGAの果て

ひとりごとのように

詩と小説を書き綴ります。

何か心に響くものがあれば

それだけで。









「アルカナ。。。君は。。。僕の愛なんだ。。。」




 恒太郎の頬を小さな光が伝い、彼の顔を見上げるアルカナの瞳に吸い込まれていった。




 

 "意志"は、夜空から瞬く星を引き連れ、二人の心だけを照らしていた。









$のんびりと-Image004.jpg






 もの言わず恒太郎の孤独にただ寄り添い、彼の"意志"として全てを受け止め続けてきたアルカナ。



 

 そして"意志"に背を向け、孤独だけを抱きしめ続けてきた起草恒太郎の心を、アルカナは抱き締めていた。





 消えてはならぬ人の"意志"を。。。









 自らの愛を告げることもなく、ただアルカナは寄り添い愛を育てていた。






 しかし、恒太郎の意志を離れる10度目の再開に告げるべき言葉を躊躇いつづけていた。





 彼の心が創りだした"意志"というアルカナ。




 アルカナは自らの"意志"を持ち始め、それが愛だと知った時、彼との絶望という別れを受け止めることができなかった。




 そして僅かな望みを託し、記憶の糸を恒太郎が撮った写真の中に刻み"白"を見せ続けた。




 今。。。



 互いの"意志"は。。。"愛"として。。。




 一つ限りの時に、巡り逢った。






$のんびりと-Image002.jpg







 アルカナは夢と現の隙間の中で愛を告げることもなく、消え去ることも出来ず彷徨っていた。





 
 そして、アルカナの刻んだ記憶の糸を辿り、恒太郎はアルカナに告げたのだった。。。





 自らの"意志"ではなく"愛"だと。。。



 



 彼自身の"意志"を信じ。。。












 人は心に寄り添うほど愛を深め、互いの"意志"は愛を見せていくものなのか。。。









 恒太郎が言った。





「僕の傍にいてくれ。。。もう、君に背を向けることはない」





 アルカナは、小さく頷き彼の腕の中に深く包まれていった。






 切り札とは見えぬもの。  



 切り札とは触れぬもの。







 それが意志。。。




 その意志に触れてこそ愛、見えてこそ愛。。。 







 九度目。恒太郎が写真を撮ろうとした時、アルカナの耳元から零れ落ちた光。。。


 
 失うものなど何もないと言った彼女が、"愛"と引き換えにしたものは。。。







 恒太郎は、何も知らぬままアルカナを抱きしめているのか。。。




 いや。。。






 


 九度目の"意志"は。。。






 十度目に。。。





 温かな光と共に。。。



 
 "愛"を見せていた。。。







 約束された明日など無い現を生きる。。。



 人の群れの中で。。。


  
 白は。。。光に。。。



 
 


 つづく








$のんびりと-Image003~00.jpg