「アルカナ。。。君は。。。僕の愛なんだ。。。」
恒太郎の頬を小さな光が伝い、彼の顔を見上げるアルカナの瞳に吸い込まれていった。
"意志"は、夜空から瞬く星を引き連れ、二人の心だけを照らしていた。
もの言わず恒太郎の孤独にただ寄り添い、彼の"意志"として全てを受け止め続けてきたアルカナ。
そして"意志"に背を向け、孤独だけを抱きしめ続けてきた起草恒太郎の心を、アルカナは抱き締めていた。
消えてはならぬ人の"意志"を。。。
自らの愛を告げることもなく、ただアルカナは寄り添い愛を育てていた。
しかし、恒太郎の意志を離れる10度目の再開に告げるべき言葉を躊躇いつづけていた。
彼の心が創りだした"意志"というアルカナ。
アルカナは自らの"意志"を持ち始め、それが愛だと知った時、彼との絶望という別れを受け止めることができなかった。
そして僅かな望みを託し、記憶の糸を恒太郎が撮った写真の中に刻み"白"を見せ続けた。
今。。。
互いの"意志"は。。。"愛"として。。。
一つ限りの時に、巡り逢った。
アルカナは夢と現の隙間の中で愛を告げることもなく、消え去ることも出来ず彷徨っていた。
そして、アルカナの刻んだ記憶の糸を辿り、恒太郎はアルカナに告げたのだった。。。
自らの"意志"ではなく"愛"だと。。。
彼自身の"意志"を信じ。。。
人は心に寄り添うほど愛を深め、互いの"意志"は愛を見せていくものなのか。。。
恒太郎が言った。
「僕の傍にいてくれ。。。もう、君に背を向けることはない」
アルカナは、小さく頷き彼の腕の中に深く包まれていった。
切り札とは見えぬもの。
切り札とは触れぬもの。
それが意志。。。
その意志に触れてこそ愛、見えてこそ愛。。。
九度目。恒太郎が写真を撮ろうとした時、アルカナの耳元から零れ落ちた光。。。
失うものなど何もないと言った彼女が、"愛"と引き換えにしたものは。。。
恒太郎は、何も知らぬままアルカナを抱きしめているのか。。。
いや。。。
九度目の"意志"は。。。
十度目に。。。
温かな光と共に。。。
"愛"を見せていた。。。
約束された明日など無い現を生きる。。。
人の群れの中で。。。
白は。。。光に。。。
つづく


