得るということがないから、諸々(もろもろ)
の求道者の知恵の完成に安(やす)んじて、
人は、心を覆(おお)われることなく住している。
心を覆うものがないから、恐れがなく、
丈ア倒(てんどう)した心を遠く離れて、永遠の平安に入っているのである。
過去・現在・未来の三世(さんぜ)にいます目ざめた人びとは、
すべて、知恵の完成に安んじて、
この上ない正しい目ざめを覚(さと)り得られた。
それゆえに人は知るべきである。
知恵の完成の大いなる真言(しんごん)、
大いなるさとりの真言、無上の真言、無比の真言は、
すべての苦しみを鎮(しず)めるものであり、偽りがないから真実であると。
その真言は、知恵の完成において、次のように説かれた。
「往(ゆ)ける者よ、往ける者よ、
彼岸(ひがん)に往ける者よ、彼岸に全(まった)く往ける者よ、さとりよ、幸いあれ」
ここに、知恵の完成の心を終わる。