解禁日釣行の記事から一ヶ月近くも更新が途絶えておりましたが、年度を跨いで公私共に忙しい状況にあり、遅れておりますことをお詫び申し上げます。
3/30(土)と4/6(土)は、パートナーズの忠さん(佐藤 忠雄さん)と御一緒させて頂き、忠さんが主宰する『山女魚乃忠学校』に於ける登校(=実習釣行)をしておりました。
先ずは3/30(土)の登校について記します。
この日の釣行は、忠さんと相談の上で、午前中のみとして臨みました。
解禁日釣行を踏まえると、秋田県に於いては4/1前に釣行可能の河川が少なく、且つ釣行可能の河川で釣りに適した環境が少ないと考えたからです。
3/30(土)の早朝は快晴で、気温は2℃でした。
庭木の冬芽が徐々に膨らんできましたが、風は依然として冷たく、クロッカスは咲いても、水仙のつぼみが膨らみません。
天候は前日から晴天が続いており、格好の行楽日和でした。
ほぼ定刻に待合せ場所で忠さんと合流して、川へ向かいました。
廻りには福寿草とイチリンソウが一面に咲いておりました。
3月初旬の下見で、林道の入口までは積雪の無いことを確認しておりましたが、林道に入ると日陰が多く、車で通行できるところまで進みました。
奥に見える橋の積雪は高くて通行できず、ここに車を停めて身支度を調えました。
3/30(土) 秋田市 旧雄物川水系
天候晴れ、気温5→9℃、水温5℃、水位 平水で濁りなし
林道から川までのヤブも、葉や草が生えていないのでスムーズに入渓できました。
水位は低く、雪代がこれから大量に流れるのか、この調子で終わるのかの予想がつきません。
底石には藻が多く見られました。
忠さんがこの場面で「このフキノトウ越しに後ろ姿でポーズを決めるか?」と笑いながら仰いました。
当ブログの先回記事の表題写真がうまく撮れていたとのことで、それを踏まえてのことです。
先々の砂場を見ても、人の足跡が見られません。
解禁日から十日が経ち、大人気区間につき人出が気になりましたが、果たして・・・。
解禁日釣行を踏まえて、遅い釣りのみでキャストしますが、全くの無反応が続きました。
キャストの成功率は7~8割な感じで、忠さんから「解禁日よりは決まっている」との評価を得ました。
忠さんから「ちょっとカメラを貸してほしい。今期初釣果をカメラに収めてあげよう(笑)」との御厚意により、私がキャストしている写真を何枚か撮影して頂きました。
畏れ多いことです。
言われるがままに展開に身を委ねて釣り進みましたが・・・、全くの無反応が続きました。
昨年辺りから気づいたのが、ほとんどのキャストで自然にサミングの動作が出来ております。
少ない点の集まりですが、この状態に至るまで5年ほど掛かりました。
キャストをこの状態まで至らしめるのを当面の目標としておりますが、まだまだ時間が掛かりそうです。
さて、楽しみにしていた大場所に着いたのですが、信じられないくらいに土砂で埋まっておりました。
2015年5月に登校したときを思い出しながら、一瞬、目を疑いました。
日陰の岸壁に霜が降りておりました。
程なく進むと、遠目に御覧の状況になっておりました。
一旦、林道へ迂回してから再入渓しました。
昨年に左岸側の斜面上で伐採が行われており、それが原因であることは明らかです。
果たして、仕方が無かったのでしょうか。
シドケの群生地も土砂の下となりました。
結局は釣りにならず、また林道へ戻り、改めて斜面を見ると、30゚は超えるであろう急斜面に見えます。
巨岩も現れており、果たして今後、この急斜面に植林されるのでしょうか。
法律や林業土木の知識がないので、仮にこの後に、昨年までの様な大雨が降れば、川が埋まるのではないかと、唯々不安を覚えます。
更に林道を進み、土砂崩れの影響がなさそうなところから再入渓しました。
大場所の様でフトコロが無いに等しく、そうではありません。
それでもアングルを何回か変えてキャストしましたが、全くの無反応でした。
岩盤に手を掛けると、想定外の感触に意表を突かれて驚きました。
濡れている様に見えていたのは氷でした。
この石は全体が凍っており、危うく転びそうになりました。
さすがは旧雄物川水系の最上流部です。
"何だこれは・・・"
石のみならず、両岸の土も人の高さのところまでエグれており、あまりの有様に驚きました。
釣りになりそうなところが無いために、忠さんの歩みも速くなります。
そして、いつもの釜場に到着しました。
8寸から尺上のイワナが高確率で釣果を挙げられる大場所にて、下手にはとても有り難いポイントでしたが、ここも深さと面積共に、半分以上が埋まっており、唖然となりました。
アングルを変えつつ3投しましたが、全くの無反応でした。
その上の釜場に土砂は見られませんが、フトコロが小さく、ここも無反応です。
釜場の上は、私がルアー釣りを始めた頃には既に岩盤が露出しており、魚を見たことがありません。
これにて納竿となりました。
途中でつぼみの状態のフキノトウを採りました。
解禁日に採ったフキノトウを天ぷらで食べたところ、母にはとても美味しかった様で「もう少し食べたかった」とのことで、過去に「フキノトウは量を食べるものではないから、ほんの少しでよい」と言っておきながら、勝手なものです。
車に戻ったのが10時40分頃です。
11時、まだ肌寒かったので着替えはせずに、林道沿いの広場で忠食(=昼食)としました。
いつものカップラパーティー&食後のベトナム産コーヒーにて、入渓区間の山と川の変化や、2日後のサクラマス解禁へ向けた話など、まったりとした雰囲気で楽しく過ごしました。
着替え後に忠さんが、脱いだシューズを見ながら、靴底の外側の減り方に早いことの話になりました。
忠学生の皆さんが登校時によく驚かれる、速くて力強い渡河と、まるで蜘蛛のように岸壁を渡る沢歩きにつながる何かがありそうです。
そして、既に御用意されている新しいシューズのピンの配置は、それを踏まえたとのことです。
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次に翌週4/6(土)の内容について記します。
その週の天候について、秋田市は4/2(火)の未明に降雪があり、1㎝の積雪を記録しております。
岩手・宮城も同様で、青森市では9㎝とのことでしたが、山形・仙台は4/11(木)にも高めの積雪に見舞われております。
秋田市の例年の4月は、必ず何度か降雪があるものですが、2月3月はほとんど積雪の無い暖冬でしたので予想外でした。
天候に於いて雪や雨の多い少ないが生じても、例年のこととして必ず帳尻合わせの様なことが生じているのが、実に面白いことと存じております。
4/6(土)、忠さんとは私の家にて8時集合として、私の車で移動となりました。
さて、全河川が釣行可能となって、どの川へ行くのか。
前日に相談した結果、毎年参加している「みちのく渓流釣り大会 in 馬場目川」が4/28(日)に開催されることを踏まえて、「先ずは馬場目川を偵察しつつ、状況次第で阿仁川水系へ行こう」となりました。
天気予報は午後から晴れとなっておりましたが、朝から冷たい風と暗い曇天にて、不安を覚えながら、定刻どおりに出発しました。
秋田市から五城目町への道中では、たまに霰が降っておりました。
五城目町に入り、保呂瀬の堰堤へ着きますと、陽が射してきました。
杉沢発電所より萩形ダム湖水の放流が始まっているらしく、川は雪代色の増水となっておりました。
保呂瀬トンネルを抜けて、恋地地内の道路脇には積雪が見られます。
上流域へ入り、川の水況や林道の通行止めを見ながら、車で通行できる範囲内で確認しました。
ひととおり見た限り、全てで車の通行に支障がありそうでしたので、馬場目川への入渓を諦めます。
国道285号を北上して、阿仁川水系のとある河川へ向かいました。
4/6(土) 旧北秋田郡 阿仁川水系
天候くもり時々晴れ、気温5→7℃、水温5℃、水位 平水で濁りなし
さすがに入渓点付近に足跡は見られず、しばらくは無反応が続きました。
私のキャストは、遠中距離がショート気味となることがありつつも、比較的に決まっておりました。
しかし、反応は見られません。
ようやくこの場面で、小さなヤマメらしきチェイスがありました。
忠さんがスピードに於いてスプーンでは難しいと判断されて、ミノーへ交換後に更に遅くキャストしますが無反応でした。
その先の流れ込みは、ダウンで攻めました。
私が先攻しましたが無反応で、その後の忠さんにも無反応でした。
先ほど交換されたミノーはパートナーズで販売しているヘビーシンキングミノー「Kiss & Cry」です。
ここの水深は浅く、そして流れがとても強いのですが、全く浮き上がる気配無しで、足下までキッチリと泳ぎ切ってくれます。
その様子を写真に収めたくなり、忠さんに頼んで何枚か撮影しましたが、明るい曇り空が川面に反射して、なかなかうまく撮れません。
手こずる様子を御覧になった忠さんが「ん~、これをキレイに写真で撮るのは条件を整えないと、簡単には撮れないんだよ」と仰いました。
このポイントへ忠さんは右岸側から進入して、写真の立ち位置でキャストしております。
無反応でしたので、忠さんはそのまま直進されました。
私は左岸側から進入して、忠さんがキャストを終えて直進されるのを見届けて、このまま左岸側を直進しようとしました。
歩き出して2歩目ぐらいでふと足下を見ると・・・!!
見た目で6~7寸の薄紫色した明らかなヤマメの背中が見えたので、咄嗟に足をそらしてバランスを崩して、着地で大きな音を立ててしまいました。
振り返った忠さんにそのことを伝えたのですが、パートナーズDVD№86「釣聖・伊藤稔の釣り ルアー VS コントロールドリフト」に収録されている内容と同様に、やはり反応しないからと魚が居ないということではなく、この場合は水が冷たくて活性が悪いため、ルアーが通れば警戒して、人の渡河の動きには、じっとその場で定位している、ということの様です。
護岸区間が終わって川幅が狭くなって初めてのポイントです。
忠さんの1投目が、私にも見えないくらいの細い枝を1本跨いでの着水となってしまいました。
忠さんが直後に「よし!そのままカカト落としだ!」と仰って間もなく、水面を割って白い腹が暴れ出しました!!
見事、7寸強のヤマメがヒットしました。
ちなみに"カカト落とし"と言っているのは、立ち位置と着水点の間にある枝にラインを掛けて、その枝を支点にルアーを操作して魚を誘う釣り方のことで、『山女魚乃忠学校』では、ある忠学生の方がその様に表現してから、そう呼ぶようになりました。
忠さんが笑いながら「最初から狙って釣ったって言えばカッコイイのだろうが、この枝に助けられたな」と仰いました。
しかし、着水からヒットまでが1~2秒のことであり、咄嗟にカカト落としに切り換えた機転こそが凄いことです。
直後に忠さんが「このスピードでなければ喰わせられなかった、ということなのだろう」と仰いました。
深さは膝下で、地形は駆け上がりです。
この日の適水勢の流速は30㎝/秒より遅いのでしょうが、数値はあくまで目安として捉えて、貴重な早春の実績を、手と脚の感触から捉えて、最終的に目で覚えなければなりません。
その後に期待しますが、反応が見られません。
入渓点から1㎞を過ぎた辺りから、私のキャストが枝に掛けたり、静かに渡河できないなど、体力不足に起因する不具合が生じてきました。
そろそろ正午ということで、ここで退渓としたのですが、私から「あの奥の一箇所だけ、やってからにしませんか」として、先に進みました。
広い淵に流木が刺さった大場所です。
しかし、アップ・クロス・ダウンとアングルを変えてキャストしましたが無反応でした。
地形的な都合から腰を下ろしてキャストしたのですが、比較的狙いどおりに決まっておりました。
林道に出ると、大半に積雪が見られませんでしたが、退渓点と駐車した場所までの区間が日陰が多く、後で地図で確認したのですが、300mちょっとの距離を積雪の上を歩くことになりました。
日陰区間の入口から続く残雪を見て、気合いを入れて進みました。
恐縮ながら、またもや忠さんの足跡を借りて進むことになりました。
中間地点に差し掛かり、忠さんが「川でもだったが、なんか鳥の声みたいなのが聞こえてこないか」と仰いました。
歩みを停めて耳を澄ますと、確かに鳥の声の様な音が聞こえておりました。
空や廻りの林を見渡しても動物の気配はなく、また歩き出すと、忠さんが林道脇の池の中に、白い塊があるのに気づきました。
直後に「あぁそうか、蛙か」と仰いました。
すぐに廻りを確認すると、川の近くにも池があるのを見つけました。
遠目に飛び跳ねる蛙も見えて、これで謎が解決したのでした。
川では余裕の無かった私ですが、川の中の流木の上に産み付けられた蛙の卵を確認しておりました。
まだ山菜には早い時期ですので、今回の釣行で、最も春の訪れを感じさせてくれた出来事でした。
そして、熊の足跡がありました。
3月に秋田市の市街地付近に熊出没の報道もあり、県内の大概の地域で既にお目覚めの様です。
車に戻って、やれやれと忠食の支度に取りかかり、いつものカップラパーティー&食後のベトナム産コーヒーにて、とても楽しい一時を過ごしました。
本日の釣りの内容や、今年の4/1サクラマス解禁は大盛況の様で、お仲間からの様々な釣りの様子など、話題が尽きることがありません。
午後からは、同じ川の下流へ入りました。
午前中の状況を踏まえて、遅い釣りの範囲内で選択肢を広げて進みました。
しかし、なかなか反応を見せてくれません。
ここで私の1投目が、最も深いスジから少し左側を通してしまったのですが、これに小さな魚影のチェイスがありました。
2投目に反応はありません。
時刻は15時に近く、この大場所への私のキャストで締めということになりました。
1投目が狙いどおりに最も深いスジに決まってくれましたが、無反応でした。
これにて納竿です。
こうして、2週続いた忠さんとの登校が終了しました。
1週目の川では、これまで何度となく楽しませてもらった山と川が荒れてしまい、あの崩れた斜面と、岩盤のみとなった川底を見る限り、これから更に酷くなる一方の様に見えますし、元の環境に戻れるものとは考えられません。
これから先、この区間へ釣りで入ることを当分の間は控えることになりそうですが、この環境がこれからどの様に変化していくのか、注視していきたいと存じております。
2週目の川では、思いのほか残雪が高く、川幅と岸が狭い区間での釣りとなったこともあり、自然とアングルの選択肢が少なくなるためか、この時期のこの沢への登校としては、最も厳しい釣果となりました。
しかしながら、この日の忠さんが挙げたヤマメの釣果は、これまで苦手としていた早春の釣りに於いて、今後へ向けて、とても参考となりました。
そして、この日に下見した馬場目川の状況は、この沢にとても似ており、雪代次第ではこの状況のままで大会を迎える可能性も高いと考えており、その意味に於いても有意義に存じております。
毎年のことながら、山も、川も、雪や雨も、気温も、水況も、山菜や草木も、必ずどれかが"いつも同じ"とはなっておらず、そのことに何かしらの戸惑いを覚えながら、年月を重ねて参りました。
春から秋までに限られますが、山に通っていればこそのことであり、自然環境のこと、釣りのこと、それぞれに於いて、これからも思索を重ねて参りたいと存じております。
以上です。