私には好きなジャーナリストが居まして説明不要な人ですが立花隆です。
田中角栄を失脚に追い込んだ人ですが、彼の仕事は政治だけでなく宇宙や脳など
多岐に渡り科学についての仕事も非常に多いです。

先日民主党の代表選が有りましたが今回も「政治とカネ」に加え「脱小沢」
とか「小鳩連合」なんて言葉が飛び交い、そこに「脱小沢史観」とか凄い言葉も
出てきましたが「政治とカネ」「小沢一郎」の本質について知りたい方に
お勧めしたいのが立花隆の「巨悪vs言論」です。

巨悪vs言論―田中ロッキードから自民党分裂まで〈上〉 (文春文庫)/立花 隆

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田中角栄のロッキード事件から自民分裂、小沢一郎の新生党立ち上げ迄が記されて
いますが、小沢が新生党を立ち上げた時に朝日新聞の社会面で立花隆は「ちゃんちゃら
おかしい」とバッサリと切って捨てました。その文章が余りに迫力に満ちあふれていた
ので記憶に残っていたのですが、立花隆自身もこの評論が気に入ったのか巨悪 ve 言論が
出版された時に手にしたら最後に全文が載せられていました。この時代に読んで十分に
今起きてる政治の問題について知る事が出来る本だと思います。当時はハードカバーで
高かったのですが、今は文庫本で随分お得になりました。

立花隆をニュース番組でご覧になった方も多いと思いますが彼自身は田中角栄について、
「また田中か」と思う事も有りながら凄まじい追求を続けました。彼の知的好奇心は
政治だけに留まるものではなかったんです。取材対象は宇宙飛行士から科学へと
広がっていきます。それ故に「知の巨人」と呼ばれるようになったと思います。
「臨死体験」という本もありますしね。

臨死体験〈上〉 (文春文庫)/立花 隆

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その立花隆が東日本大震災について今回の原発事故、その原発の報道についても
NHKのBSプレミアム「100年インタビュー」で8月7日に語っています。そういえば
御用学者なんて言葉も飛び交ってますね。そこら辺どうなんでしょう?
90分の番組ですので、その一部を抜粋でご紹介させて下さい。この番組は登場者の
人生をおおまかに振り返りますが、その中で今回の立花隆のテーマは「科学」です。
インタビューワーはNHKの三宅民生アナウンサーです。

三宅アナ:
20世紀は一言でいうとどういう時代でしたか?

立花隆:
それは圧倒的に科学の時代ですよね。あの色んな意味で科学的知見の広がりという
意味でも科学の時代だし、それから科学が与えてくれた色んな知見をもとにして
色んな技術が発展して、それ無しでは社会全体が動かなくなった、科学技術社会
みたいなね。そういう両面で科学の時代ていう事が言えると思いますよね。
なかんずくね、より深く知りたい探求の的は宇宙にも向くしそれから地球にも
向くんだけど、もう1つは生命というかね、生命の中の人間、人間の中の脳、
それが一体どうなってんだっていうね、そういう所へ人間の関心がどんどん
広がり深まっていってね、それが全ての意味で深まっていって、それ以前の
知識とは比較にならない知識を獲得し出して知識が爆発的に広がったというのが
20世紀という時代の特徴ですよね。

そのあたりの事をね、アメリカのscienceという雑誌なんですが(Scienceを
手に取って)、scienceというのはnatureと並んで世界で2大科学技術の世界で
有名なんですが、それに僕こういう論文書いてるんですよ。
(立花隆の論文のページを開く)

三宅アナ:
科学者と非科学者のギャップ?
(論文のタイトル:Closing The Knowledge Gap Between Scientist And Nonscientist)

立花隆:
そう、そうなんです。要するに20世紀ってのは科学的な知識が本当に爆発的に広がった
時代なんです。爆発的に広がって深まって科学の世界が与えてくれる情報量ってのが
こーんな広がって(両手を広げて)、ところが此処の人間の(手を狭めて)情報捜索能力は
限りがありますから、そうすると大抵の人が頭の中であっぷあっぷしてるんですよ。
そういう結果この社会ではもの凄い不都合な現象が山のように起きだして、
それでどうしようもなくなりつつあるのが20世紀だと言うね。
そういう意味の論文なんです、これ。

科学者と科学者ではない普通の人の間のナレッジ・ギャップ、知識のギャップです。
それを縮める事にしか救いがないんだけれども、それがめちゃくちゃ難しい時代に
20世紀は成りつつ有って、それが益々進むというね。初めは小さなギャップだと思ってたら、
それが殆どこうねバルク状に成りつつある。

三宅:
ギャップをなんとか埋めなきゃならないっていうのが立花さんの仕事?

立花:
埋めなきゃならないんだけど、それはもの凄く難しいんです。
これはね、ここにグラフが書いてあるんですが(論文のグラフを示して)、これは
日本の学校の高校の教科書にある科学的な色んな出来事が人類の歴史においていつ
発見された出来事なのかというと化学の世界では19世紀に発見されたものが殆ど
教科書に載ってるっていうかね、せいぜい19世紀止まりなんです。日本の高校生
までの人たちが習ってる教科書の中味。本当は、本当はですよ、20世紀に化学的
知識の爆発が起きたんだけれども、それは教科書には載っていない。だけども日々に
今度は新聞・TVで大きなニュースとしてわっーと出てくるね。それは20世紀が爆発
的に底が広がってるんです。我々の社会はその上に乗っかっている。
ところが、そういうのが分かんない。

三宅アナ:
新聞には出てても意味がなかなか分からない。ギャップが広がると何が一番怖い?

立花隆:
いやいや要するに何が起きているのかが、よく分かんない訳です。
原発だってそうなんですよ。



長くなったので続きを分けてかきますね!
リンク:立花隆の見る震災と原発②

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