BSプレミアム 100年インタビューで行われた立花隆の回の抜粋の続きです。
前回は科学が爆発的に進化した20世紀という時代背景の中で科学者と普通の人の
知識のギャップが生まれてそれが大きな問題になっている所までご紹介しました。
リンク:立花隆の見る震災と原発①
三宅アナ:
新聞には出てても意味がなかなか分からない。ギャップが広がると何が一番怖い?
立花隆:
いやいや要するに何が起きているのかが、よく分かんない訳です。
原発だってそうなんですよ。じゃあ原子力発電っていうのはどういう風になってて、
エネルギーの世界がどういう風になってて、そのエネルギーを作るその未来どういう
可能性があって、あるいはこの事故を収束させる為に何をしなきゃいけないとか、
どういう困難がそこに有るかとか、そういう事は一応は次々メディアが伝えてますよ。
でも、それを本当にフォローして、全部それが中身が分かってフォロー出来るっていう
人達はね、もの凄い少ないですよ。だから、いま例えば被災地の人たちや何かが言うことも
「早く国がガイドラインを与えてほしい」とかね、そういう言い方でしょ。
もう、わかんないから誰かが決めて下さいと。でもそれじゃ駄目なんですよね、本当はね。
本当はちゃんと対応する為には今何が起きてんだっていう事を理解して、じゃあこうする
というね。その理解を踏まえた上の決断っていうのが必要なはずのに、そこが出来ないという。
それで何か分かんない欲求不満がいたるところに広がって、みたいなね。
三宅アナ:
何かが起きてそれへの対策を考える時も起きた事の意味がちゃんと
分からなければ議論もできないという。
立花隆:
そういう事です。
三宅アナ:
まさに今それが起きてる事?
立花隆:
今起きてる事です。
三宅アナ:
東日本大震災がありましたよね。あの自然の脅威、それをどう受け止めたら
いいのか。それから何かこう戦後今まで積み立ててきたものがね、心の中で
グシャツと崩れたような感じもし、立花さんがどういう風に受け止めていら
っしゃるのか?
立花:あの、これはひと言ではなかなか言い難いんですが。それは色んな意味で
ショックですよね。それで、あれだけ自然のエネルギーが凄まじく大きいとね、
頭ではある程度分かってたんだけれども、要するに実感としてこう目で見える形で
あの圧倒的なエネルギーね。あれを見るとやっぱり相当でショックですよね。
だからね、東電の人やその他諸々の人が想定外と言ったけれども、あれは想定外で
当然っていう気がしますよね。
三宅アナ:あっ(意外だという感じで)
立花隆:
つまり、あの地震のエネルギーとして、あれは1,000年に一度あるかないかというね、
そういうエネルギーだった訳でしょ。1,000年に一度有るか無いかのエネルギーの
爆発ってのをね、それは想定してた人はいませんよ。いま後知恵で、ね。あれと
同じような大地震が貞観地震(じょうがん)地震という形で平安時代にあったんだとか、
どうのこうの言われるけれども、でもあの貞観地震の発表ってのはその数年前に行ってる
けれども、そん時は誰もね、ちゃんとフォロー出来なかったっていうかね。だから、その後
まあ色んな人が言ってるけれども、それを本当に勘定に入れるられるような準備が有ったか
どうかと言えば、そもそもデータが足りなすぎると。だから、そういう地層から何かが
出たっていうね、そういう事はあるかもしれないけれど、それをちゃんとカウントして
原発の設計に繰り入れるみたいな、そこまでのデータが出なかったっていうね。
それは多分その通りだったと思うんですよね。
三宅:
実際、あの沿岸部もあの津波で被害を受けたとこもご覧になってるんですよね?
立花:
ええ、そうなんです後から仕事でヘリコプターで全部見て回ったんですよ。
だからそれを見た時はね、更にあの、もちろんテレビで色んな映像見てますよね。
それ以上にやっぱりね、要するにこう自分で実際にヘリコプターで凄い上にあがると
視野が一挙に広がる訳ですよ。それでテレビの映像ってのやっぱりその局部なんですよ、
全部ね。そうじゃなくて、こう、もの凄い大きな視野の中で全体を見るという経験が
やっぱりすごい独特で、そのエネルギーの大きさが更に分かりましたよね。
だから、あれだけのね大きなエネルギーの爆発ってのはね、ちょっと想像が本当に
出来ないっていうか。だって、あれエネルギーに換算するとですよ、広島型原爆の
32,000発分になるんですよ。だからそれは超特大の水爆ね、過去最大の水爆ってのが
あるんですが、それ100発分くらいになるんですよ。だからね、僕は長崎の生まれです
から、僕が生まれた大学病院ってのは何時も長崎の原爆の写真というのでど真ん中に
写るんですよ。だからその、そこにずっと後になってから行きましたけれども。
そういう感じで原爆後の被災地の状況ってのはすごく頭の中に強くイメージとして
あるんです。津波の後の風景ね、色んな風景はほとんど見た途端に、あ!これはもう
原爆の跡。みたいに思ったんですよね。
三宅アナ:
あの岩手などの沿岸には相当堅牢な防波堤を築かれていて、こーんな見上げる程の。
立花:
ええ、そうなんです。それであん中で、えーと殆どのせっかく作った大防波堤。
これがあれば絶対大丈夫みたいに地元の人が思ってたものがホントにね次々脆くも
崩れてね、粉々になってるってのが上からホント見える訳です。だけども1つだけね
普代村(ふだいむら)っていう所のあれは、村長さんが頑張ってそれはその村の予算の
無駄遣みたいな事言われてても、あえて10何メートルの
三宅:
15メートルを越す
立花:
ええ、それを作ってね。それであの村から殆ど犠牲者が出なかったというね。
あれはねホント凄い立派なケースだと思いましたよね。
三宅:
なんか、あの私が聞いた話しでは普代村はかつて防波堤を作った当時は
何でこんな巨大な物作ったんだていう声もあったって。
立花:
そそ、そうなんです。あれもだけど本当はね、電動式で閉める仕掛けになってたのに
電気が来なかったから動かなかったもんで手で閉めたんですよね。だから、やっぱり、
ぎりぎりのところは。そういうありとあらゆる所で電気がなければ手でっていうね、
そこまで考えてないと駄目だっていうのがわかりますよね。そういう考えの無さが
原発の場合あったという事ですよね。
長くなったので、続きを分けますね!
次はメルトダウンについての言及です。
リンク:立花隆の見る震災と原発③
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前回は科学が爆発的に進化した20世紀という時代背景の中で科学者と普通の人の
知識のギャップが生まれてそれが大きな問題になっている所までご紹介しました。
リンク:立花隆の見る震災と原発①
三宅アナ:
新聞には出てても意味がなかなか分からない。ギャップが広がると何が一番怖い?
立花隆:
いやいや要するに何が起きているのかが、よく分かんない訳です。
原発だってそうなんですよ。じゃあ原子力発電っていうのはどういう風になってて、
エネルギーの世界がどういう風になってて、そのエネルギーを作るその未来どういう
可能性があって、あるいはこの事故を収束させる為に何をしなきゃいけないとか、
どういう困難がそこに有るかとか、そういう事は一応は次々メディアが伝えてますよ。
でも、それを本当にフォローして、全部それが中身が分かってフォロー出来るっていう
人達はね、もの凄い少ないですよ。だから、いま例えば被災地の人たちや何かが言うことも
「早く国がガイドラインを与えてほしい」とかね、そういう言い方でしょ。
もう、わかんないから誰かが決めて下さいと。でもそれじゃ駄目なんですよね、本当はね。
本当はちゃんと対応する為には今何が起きてんだっていう事を理解して、じゃあこうする
というね。その理解を踏まえた上の決断っていうのが必要なはずのに、そこが出来ないという。
それで何か分かんない欲求不満がいたるところに広がって、みたいなね。
三宅アナ:
何かが起きてそれへの対策を考える時も起きた事の意味がちゃんと
分からなければ議論もできないという。
立花隆:
そういう事です。
三宅アナ:
まさに今それが起きてる事?
立花隆:
今起きてる事です。
三宅アナ:
東日本大震災がありましたよね。あの自然の脅威、それをどう受け止めたら
いいのか。それから何かこう戦後今まで積み立ててきたものがね、心の中で
グシャツと崩れたような感じもし、立花さんがどういう風に受け止めていら
っしゃるのか?
立花:あの、これはひと言ではなかなか言い難いんですが。それは色んな意味で
ショックですよね。それで、あれだけ自然のエネルギーが凄まじく大きいとね、
頭ではある程度分かってたんだけれども、要するに実感としてこう目で見える形で
あの圧倒的なエネルギーね。あれを見るとやっぱり相当でショックですよね。
だからね、東電の人やその他諸々の人が想定外と言ったけれども、あれは想定外で
当然っていう気がしますよね。
三宅アナ:あっ(意外だという感じで)
立花隆:
つまり、あの地震のエネルギーとして、あれは1,000年に一度あるかないかというね、
そういうエネルギーだった訳でしょ。1,000年に一度有るか無いかのエネルギーの
爆発ってのをね、それは想定してた人はいませんよ。いま後知恵で、ね。あれと
同じような大地震が貞観地震(じょうがん)地震という形で平安時代にあったんだとか、
どうのこうの言われるけれども、でもあの貞観地震の発表ってのはその数年前に行ってる
けれども、そん時は誰もね、ちゃんとフォロー出来なかったっていうかね。だから、その後
まあ色んな人が言ってるけれども、それを本当に勘定に入れるられるような準備が有ったか
どうかと言えば、そもそもデータが足りなすぎると。だから、そういう地層から何かが
出たっていうね、そういう事はあるかもしれないけれど、それをちゃんとカウントして
原発の設計に繰り入れるみたいな、そこまでのデータが出なかったっていうね。
それは多分その通りだったと思うんですよね。
三宅:
実際、あの沿岸部もあの津波で被害を受けたとこもご覧になってるんですよね?
立花:
ええ、そうなんです後から仕事でヘリコプターで全部見て回ったんですよ。
だからそれを見た時はね、更にあの、もちろんテレビで色んな映像見てますよね。
それ以上にやっぱりね、要するにこう自分で実際にヘリコプターで凄い上にあがると
視野が一挙に広がる訳ですよ。それでテレビの映像ってのやっぱりその局部なんですよ、
全部ね。そうじゃなくて、こう、もの凄い大きな視野の中で全体を見るという経験が
やっぱりすごい独特で、そのエネルギーの大きさが更に分かりましたよね。
だから、あれだけのね大きなエネルギーの爆発ってのはね、ちょっと想像が本当に
出来ないっていうか。だって、あれエネルギーに換算するとですよ、広島型原爆の
32,000発分になるんですよ。だからそれは超特大の水爆ね、過去最大の水爆ってのが
あるんですが、それ100発分くらいになるんですよ。だからね、僕は長崎の生まれです
から、僕が生まれた大学病院ってのは何時も長崎の原爆の写真というのでど真ん中に
写るんですよ。だからその、そこにずっと後になってから行きましたけれども。
そういう感じで原爆後の被災地の状況ってのはすごく頭の中に強くイメージとして
あるんです。津波の後の風景ね、色んな風景はほとんど見た途端に、あ!これはもう
原爆の跡。みたいに思ったんですよね。
三宅アナ:
あの岩手などの沿岸には相当堅牢な防波堤を築かれていて、こーんな見上げる程の。
立花:
ええ、そうなんです。それであん中で、えーと殆どのせっかく作った大防波堤。
これがあれば絶対大丈夫みたいに地元の人が思ってたものがホントにね次々脆くも
崩れてね、粉々になってるってのが上からホント見える訳です。だけども1つだけね
普代村(ふだいむら)っていう所のあれは、村長さんが頑張ってそれはその村の予算の
無駄遣みたいな事言われてても、あえて10何メートルの
三宅:
15メートルを越す
立花:
ええ、それを作ってね。それであの村から殆ど犠牲者が出なかったというね。
あれはねホント凄い立派なケースだと思いましたよね。
三宅:
なんか、あの私が聞いた話しでは普代村はかつて防波堤を作った当時は
何でこんな巨大な物作ったんだていう声もあったって。
立花:
そそ、そうなんです。あれもだけど本当はね、電動式で閉める仕掛けになってたのに
電気が来なかったから動かなかったもんで手で閉めたんですよね。だから、やっぱり、
ぎりぎりのところは。そういうありとあらゆる所で電気がなければ手でっていうね、
そこまで考えてないと駄目だっていうのがわかりますよね。そういう考えの無さが
原発の場合あったという事ですよね。
長くなったので、続きを分けますね!
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