内田光子の2010年来日最後のコンサートに行ってきました。

11月20日(土)ヴァイオリニストのヴィヴィアン・ハーグナーとのデュオコンサート。
「日本オーケストラ連盟青少年育成基金チャリティコンサート」と銘打たれた、
東京オペラシティコンサートホール武満メモリアルでの15時からの午後のひと時です。

ブログ:内田光子 クリーブランド管 2010年11月14日

ブログ:内田光子 クリーブランド管 2010年11月16日

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この日は2階P列で聴きました。内田光子の鍵盤がよく見える席です。
連れは通路1つ分空いた隣の席だったのですが内田光子の表情もみえたそうです。
1曲目のモーツァルトのK304でヴィヴィアン・ハーグナーとステージに表れた
内田光子は譜面を前にして赤い眼鏡を取り出しました。

この日の演目は2曲目のバルトーク続く3曲目のバッハはヴィヴィアン・ハーグナー
によるシャコンヌです。これはまさにヴィヴィアン・ハーグナーが自身を発揮する為の
プログラムです。内田光子を迎えていますが、この日のコンサートはヴィヴィアン・
ハーグナーのステージと言ってよいでしょう。
4曲目のブラームスのヴァイオリンソナタ第1番で再び内田光子がステージに登場しますが、
実際、この日の内田光子はヴィヴィアン・ハーグナーをたてる演奏をしていました。
ただ1曲目などはしょうがないですけど内田光子のピアノが冴えてしまいますね。

演奏中、内田光子からはヴィヴィアン・ハーグナーの背中しか見えないのですが
内田光子は何度もヴィヴィアン・ハーグナーの方を見る。

眼鏡がよく見えないのか、この曲の前も眼鏡をシースルーの上着で拭いていたのですが、
この4曲目が始まる時に「ハッ!」と声を出して眼鏡に息をかけて上着で拭いて会場からは
一瞬笑いがこぼれました。しかし内田光子、プリーツ好きだよなあ。
かなり昔に週刊文春で見た80年代の内田光子は自分の部屋(?)でカジュアルな格好を
していましたが。ISSEY MIYAKE(三宅一生)にとって最高のアンバサダーですよね。

嬉しかったのが1曲目が終わり拍手の中で内田光子はここでもP席の方を向いてくれて、
ヴィヴィアン・ハーグナーにもそっと促し彼女もP席を見る。
4曲目が終わった後はヴィヴィアン・ハーグナーもしっかりP席に挨拶をしてくえるように
なりました。こういったところも内田光子と共演して良い影響を受けてくれるのは嬉しいですね。

そして、この日はアンコールが入ります。
演目はこちらのお写真です。

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休憩なしでアンコール入れて90分くらいでしょうか。聴く側も緊張感が切れずに
丁度良いコンサートでした。ただ残念なのは1曲目の演奏開始と同時に眠り出した
老夫婦はご愛嬌としても良席で眠る人の多いこと!チケットを「関係者」に
配ったりしたのでしょうか。会場は満席なんですけどね。
同時に内田光子が好きでたまらない!という表情でステージに向かう人たちの姿と
非常に対照的でした。

演奏が終わりロビーに向かうと年配の男性とご家族の方でしょうか。数名の方々が
歓談していました。「私は要介護なんですが自分で立てるんですよ」とおっしゃって
凛とした雰囲気で立って話されている年配の男性がいました。

私、内田光子の凛とした姿がすごく好きなんです。
彼女の音楽に触れて私も凛とした姿でありたいと願っています。