M-1グランプリ2018の決勝戦をリアルタイムで観たので、玄人の私の目から見たネタの点数と感想を述べていく。
・見取り図 82点
「女の子を紹介」
トップバッターながら、かなり盛り上げてくれた。
彼らがトップだったのは、
番組的に正解であっただろう。
ツッコミのフレーズでうまく笑いを取っていたが、新しさはなかった。
また、「あたおか」のくだりは本人達が好きなのだろうが、
フリの時間に対して、得られる笑いが少なすぎた。
・スーパーマラドーナ 86点
「サイコパス」
題材自体は田中君の良さを出すのに適していたと思う。
しかし、ピークが序盤に来てしまった。
出番が早かったのもある。
私は彼らを評価する。
・かまいたち 95点
「タイムマシン」
ポイントカードという下らない部分に焦点を当てて進めていく台本は流石。
本筋ではない途中のくだりの面白さもある。
後半にかけて笑いが増えていく理想的な形であった。
・ジャルジャル 99点
「国名分けっこ」
奇しくも志らく君と同じ点数になってしまった。
わはははは。
実は、オリジナルゲームという題材はお笑いにおいて、
手垢は付いている。
代表的なところだと、はんにゃの「ズクダンズンブングンゲーム」、
ダイアンの「モリトス体操」、
なすなかにし「テトラミンジャウト」等だ。
ただし、ジャルジャルほどこの題材が上手い芸人は他にいないだろう。
発想力、構成力がずば抜けている。
また、後藤のツッコミの上手さがあってこそ、
このネタは成り立っている。
発想をきちんと形に変えることができる技術もあるからこそ、
ジャルジャルのシュールな世界観を客席に伝えられるのだ。
・ギャロップ 79点
「コンパ」
決してネタ自体が悪いわけではないのだが、
前の3組のレベルが高すぎて、一段レベルが低く見えてしまった。
発想も展開も予想の範疇を超えなかった。
・ゆにばーす 82点
「遊園地」
最初に川瀬君が噛んでしまったのは痛かった。
客席に緊張が伝わってしまい、つかみも大きくウケなかった。
また、そこを差し引いても、本ネタ自体の質も低かった。
最後に持ってきたコテコテ漫才のくだりも、フリの長さに対して、
ボケの面白さが追いついていなかった。
来年以降精進してくれたまえ川瀬君。
・ミキ 83点
「送っといた」
やはり彼らは題材選びが陳腐だ。もっと攻めたまえ。
ネタの進め方も古臭い。
但し、去年からの成長は感じられた。
以前の彼らはボケの弱さをツッコミでカバーしていたが、
ボケ自体の強さは上がってきている。
あとは発想力だよ。
その先に栄光がある。
・トム・ブラウン 92点
「なかじまっくす」
彼ら独特のセンスあふれるネタであった。
緊張感のある舞台で、
頭を使わずに笑えるバカバカしいネタをしてもらえると楽しい。
新しさもあり、新世代の風を感じた。
・霜降り明星 91点
「豪華客船」
そもそも、彼らはツッコミのワンフレーズで笑いを取るという
新しいスタイルを作ったこと自体素晴らしい。
そして、この決勝戦でそのスタイルの完成形を見た。
全体の質が高く、ほぼ全てのボケが取りこぼしなくウケていた。
このスタイルが成り立つのは、
抜群のワードセンスがあればこそだろう。
・和牛 95点
「ゾンビ」
前半に笑いを取りつつ、伏線を張り、
ラストに笑いのピークを持ってくるという美しい構成。
これだけ期待されていながら、
その期待を超えてくる彼らの実力には脱帽だ。
【最終決戦】
・ジャルジャル 98点
「自己紹介」
1本目とは違うスタイル、且つジャルジャルらしいネタ。
前半は普通の漫才の要素が強いが、
後半にかけてジャルジャルワールドが繰り広げられる
バランスの良い構成。
「均等にする」という部分に焦点を当てて進めていくのも彼ららしい。
ラストイヤーの最終に相応しいネタであった。
私が審査員なら彼らに投票していた。
・和牛 94点
「オレオレ詐欺」
一本目はしゃべくり中心であったが、2本目はコント中心で攻めてきた。川西君の女形の良さと、水田君のいやらしさが出ている二人の魅力の詰まったネタであった。
・霜降り明星 96点
「小学校」
私は彼らが2本目に絶対このネタをやると思っていた。
「THE MANZAI」で初めて認定漫才師に選ばれた時のネタ。
彼らはここぞという時にこのネタを披露していたが、
小学校のくだりに入る前には、
その他のネタの一番面白いくだりを入れており、
霜降りのベストアルバムともいえるネタとなっていた。
個人的には、志らく君の審査が好みであった。
彼は一貫して「新しさ」を評価する軸で審査していた。若手芸人のための大会なのだから、新しい笑いを作ったものを高く評価するべきである。
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個人的には、小峠がMCを務め「モテるの法則」という番組も面白い。