キングオブコント2024 準決勝 1日目に行ってきた。

玄人の私の目から見たネタの点数と感想を述べていく。

ネタ時間は5分間。

なるべくネタバレしないように書いているが、

決勝進出していなそうなコンビは少しネタバレしている。

個人的評価の高いコンビは赤字にしている。

 

 

春とヒコーキ  84点

「離婚調停」
観たことのない設定で良かった。役もぐんぴぃ君のキャラにもあっていた。

細かいツッコミのフレーズでも笑いをとれていたし、後半にかけてのストーリー構成も美しい良いコントであった。

 

 サスペンダーズ  94点

「パフェ」
彼らならではの上手い着眼点が見事に笑いにつながっていた。

彼らの笑いどころはたまに客席に伝わらないこともあるが、今回は見事なバランスであった。

後半にもうひと展開合ったのもお見事。

 

さすらいラビー  70点

「シミュレーション」

キャラに頼ったままのありがちな設定とありがちな展開のコント。

悪い意味で教科書通りでこちらの想定を上回ることが一度もなかった。

これは準決勝レベルではない。

 

インポッシブル  78点

「コロシアム」

チープさとばかばかしさが彼らの魅力ではあると思うのだが、

今回はそれが良い方向にはいかなかった。

ばかばかしさは残しつつ、構成でも笑いをとれるようになればより高みを目指せるだろう。

 

相性はいいよね  80点

「悪魔」

この設定で人間側のフレーズで笑いを取る見せ方は良かった。

掛け合いのテンポも良い。

 

ダウ90000  91点

「人形劇」

この人数ならでは光る設定であった。

視覚的にも観ていて楽しい。

彼らにしかできない独自性は評価に値する。

 

Gパンパンダ  82点

「インターン」

面白い設定だが、ややリアリティにかけるか。

星野君のキャラの狂気性をより際立たせるような展開やエピソードを観たかったところ。

そうすればよりキャラクターに深みとリアリティが出て笑いにつながる。

 

ダンビラムーチョ 88点

「引退試合後」

最初のつかみから一気に盛り上げて、最後までそのままの勢いを持続できていた。

パンチラインも多く、笑いの量や質も高かった。

固有名詞が多いのがやや気になるが、そこを引いても良い出来のコントであった。

 

ななまがり  86点

「合戦」

設定自体はかなり良かった。

この設定なら後半により派手な展開を持ってきても良かったのではないかと思う。

 

やさしいズ  81点

「引退試合後」

ダンビラムーチョとやや設定被りした影響で笑いが少なくなってしまっていた印象。

良いフレーズも多く、実力の高さは感じられた。

 

しずる  85点

「犯人」

思い切った構成のコント。

笑いは多くなかったが、私は評価する。

彼らのこの挑む姿勢を私は好きだ。

 

いぬ   80点

「ボルダリング」

バカバカしさに振り切ったコントだが、展開が少ないため後半にかけてダレてしまった。

後半で大きく転調するくらいが良いと思う。

 

ブラゴーリ  82点

「ホスト」

テンポの良い掛け合い自体は良かった。

ただ、どうしても漫才コントのコントの部分を切り取っているような印象を受ける。

コントならではの展開やポケを増やせればより魅力的な作品になるであろう。

 

や団  86点

「中華料理屋」

設定自体は悪くないが、どうしても地味だ。

こちらの予想を超える展開を期待したい。

 

シティホテル3号室 88点

「通販番組」

これはかなり良い設定。

後半にかけて盛り上がる理想的な展開。

私は彼らのことを初めて知ったが、今後注目していきたい。

 

cacao   92点

「野球部」

笑いの量でいえば一番多かったように感じる。

効果音の使い方が抜群であった。

ただ、本来は4分くらいがこのネタのベストな時間なのかなとは思う。

 

おおぞらモード  79点

「結婚相談所」

単純な会話劇で、質も高かった。

ただ、いかんせん地味か。

 

カベポスター  80点

「怪奇現象」

大喜利要素が強いネタ。

後半の感動的な演出はやや白ける。

 

コットン  81点

「人形劇」

ダウ90000と設定被り。

ネタの構成はありがちで陳腐な展開。

 

気になるあの娘  79点

「花屋」

全体的なチープ感がぬぐえない。

準々決勝にいそうなトリオコントの印象。

 

金の国  96点

「同級生」

単純な会話劇でここまでの笑いをとれるのはさすが。

シュールな設定なのに演技やフレーズのリアリティがあるので説得力がある。

実力とセンスの高さがうかがえるとても良質なコントであった。

 

ファイヤーサンダー  93点

「毒舌散歩」

設定、構成、フレーズ、全てにおいて高い水準のコントであった。

適度に展開があるため最後まで飽きずに見ていられる。

5分間が短く感じるほどであった。

 

トゥリオ  87点

「ゼミ終わり」

メタ的な要素で笑わせるネタ。

着眼点は素晴らしく、会場も盛り上がっていた。

ただ、決勝の舞台でこの笑いが伝わるかはやや疑問が残る。

 

蛙亭  94点

「デスゲーム」

中野君だけでなく岩倉君もボケに回っているのは新鮮であった。

ところどころで中野君がツッコミも入れたりするなど、かなり高度な見せ方をしている。

蛙亭の新たなステージを垣間見れた思いがする。感動した。

 

セルライトスパ  88点

「夜行バス」

彼らの漫才にも近いような会話劇で魅せるコント。

良質な掛け合いは見所があった。

オチで大きな笑いがあったが、中盤でも同じような大きな笑いどころがあればなお良かったか。

 

ザ・プラン9  76点

「ボウリング」

古臭さを感じる陳腐なコント。

大人数でいる必要性も薄い。最悪4人でも成立しているネタ。

 

ザ・マミィ  92点

「二者面談」

音響にやや頼りすばてぃる感はあったが、盛り上がりのある良いネタ。

キャラ以外の部分の笑いもしっかりとれていた。

終盤にもうひと展開あるのも良かった。

 

隣人  80点

「チンパンジー」

全体的に平たく終わってしまった印象。

もっと派手な展開を期待したい。

 

うるとらブギーズ  95点

「医者の息子」
熟練の職人の技を観ているかのようなコント。

この日の中で一番中毒性の高いコントかもしれない。

 

マイスイートメモリーズ  77点

「脚立」

脚立大喜利の詰め合わせという印象。

 

ロングコートダディ  89点

「ウィザード」

大喜利要素の強いネタ。

大きな展開を入れていないのはあえての美学であろう。

彼らの世界観がよく表現されていた。

 

スクラップス  76点

「人形劇」

ここもチープなトリオコントという印象。

 

TCクラクション  78点

「ドラム」

笑いどころの面白さが伝わりにくかった。

とにかくリアリティがなさすぎる。

 

ラブレターズ  83点

「浜辺」

あまり彼らの世界観に入っていけなかった。

すこし飛び過ぎている。

 

ニッポンの社長  89点

「野球部」

派手さのあるネタ。

会場は盛り上がっていたが、私は彼らにはもっと上を期待してしまう。

 

【総評】

面白い組も多かったが、数年前と比べると準々決勝で落ちるレベルの組も何組かいた。

ただ、私が認知していなかった面白い組も知ることができたのは収穫だった。

私がこの日の出来だけで決勝メンバーを選ぶと、

以下のメンバーとなる

 

・サスペンダーズ

・ダウ90000

・cacao

・金の国

・ファイヤーサンダー

・蛙亭

・ザ・マミィ

・うるとらブギーズ

・ロングコートダディ

・ニッポンの社長