今回は江戸時代からの桜の名所・飛鳥山へ散策に行きました。

今年は桜の開花が遅くて開催日にはほとんど咲いてませんでしたが、桜は抜きにしても見どころの多い飛鳥山周辺の散策を楽しんできました。

それでは当日の様子を写真でどうぞ。

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西ケ原駅から飛鳥山公園へ。

途中にある西ヶ原一里塚は江戸時代の日光御成道に設けられた2つめの一里塚です。

大正時代に道路改修工事に伴って撤去されそうになりましたが、渋沢栄一などの地元民や学識者の保存要請によって一里塚は守られ、道路は塚をさけて作られました。
解説がないとなんてことないただの木ですが、実は貴重な一里塚跡です。

飛鳥山公園に到着しました。

飛鳥山は武蔵野台地の東端に位置する標高25mほどの小さな山で、8代将軍・徳川吉宗は飛鳥山に多くの桜を植えて、庶民が花見を楽しめる行楽地として開放しました。

上の浮世絵にも描かれている飛鳥山の碑(1737年建立)は現存しています。

明治時代に飛鳥山公園として開園し、実業家の渋沢栄一が邸宅を構えました。

まさに渋沢栄一のお膝元ということで、園内には渋沢栄一に関する史料館や建築物があります。

まずは渋沢史料館にて渋沢栄一について学びましょう。

花見客が多い時期だったので、館内にはけっこう人がいました。

新一万円札の肖像画にも選ばれているので、今後はもっと人が来そうですね。

渋沢邸はそのほとんどを空襲で焼失しましたが、2棟だけ現存しており現在は重要文化財に指定されています。

最初に見学したのは喜寿祝いとして1917年(大正6年)に寄贈された洋風茶室・晩香廬(ばんこうろ)。

小さな建物ですが、とても素敵な室内です。

もう一つの現存建築物・青淵文庫(せいえんぶんこ)。

こちらは傘寿祝いと子爵授与の記念として1925年(大正14年)に寄贈された書庫です。
渋沢栄一の雅号・青淵がその名の由来です。
ちょうど人のいないタイミングでみんなにも広間の写真を撮ってもらいました。
渋沢家の家紋「丸に違い柏」にちなんだ柏の葉をデザインしたステンドグラスやタイルが美しい洋館です。
渋沢×北区 飛鳥山おみやげ館。
新しくできたお土産物屋さんで、商品はかなり充実していた感じでした。
今回は2週にわたっての開催でしたが、2週目は天気もよくて公園内にはたくさんの花見客がいました。
早めに咲いていた桜を撮ってきましたが、今年は3月末にも関わらず全然咲いてませんでした。
全然咲いていない桜の下で花見をする人々。
う~ん、ノーコメントで。
公園中人だらけで、僕自身も疲れてしまった。
飛鳥山は別にこの時期に来なくても楽しい場所なので、次回以降は花見時期の散策はやめようと思います。

頂上と麓を結ぶ自走式モノレール・あすかパークレール(通称:アスカルゴ)。

2週目は長蛇の列で乗れなかった…。

自分で企画しておいてなんだけど、桜なんてどこでも咲いているからわざわざ混雑のリスクを冒して桜の時期に桜の名所に突撃する必要はあったのかなと思ってしまった。

桜が咲いてりゃまだしも咲いてもなかったしショック

気を取り直して後半戦へ。

王子駅近くには、渋沢栄一が設立した日本初の製紙工場がありました。

この製紙工場は空襲によって被災して現存しませんが、跡地には「洋紙発祥の地碑」が建っています。

すぐ近くには渋沢栄一が初代理事長を務めた国立印刷局があります。

国立印刷局に付属するお札と切手の博物館へ。

国立印刷局は紙幣や切手、パスポート、官報など公的な印刷物を発行しています。

7月に発行される新紙幣のついての紹介など、たくさんの展示物がありました。

王子駅近くへ。

以前は王子駅のすぐそばを石神井川が流れており、音無川という名の景勝地として知られていました。

現在、河川の付け替えにより石神井川は飛鳥山の下を通っており、石神井川の流路跡は音無親水公園として一般開放されています。

桜が咲いてないから花見中止とはならないのだろうか。
酒盛りは苦手なので、僕にはよく分からん。

王子駅からしばらく北へ歩いて名主の滝公園へ。

名主の滝公園は、江戸時代に王子村の名主、畑野孫八が屋敷内に滝を開き一般開放したのが始まりです。

現在は復元された4つの滝がある自然豊かな回遊式庭園となっています。

…といっても、イマイチ管理が行き届いていないようで、3つの滝はほとんど流れていないです。

1週目は綺麗な滝が見えましたが、2週目は滝が止まってました…(人口の滝なので16時になったら止まります)。

お隣にある王子稲荷神社へ。
東国三十三国の稲荷総司とも伝えられており、昔、大みそかの夜には東国三十三国の狐たちが正装して王子稲荷神社に参拝し、その際に見られる狐火の行列は壮観だったといわれています。
王子稲荷の狐は、落語「王子の狐」に登場したり、浮世絵にも描かれるなど江戸時代から広く知られており、王子稲荷の狐火の伝承を残そうと今でも王子では大みそかの夜に「狐の行列祭り」が行われています。

境内には願掛けの石(願い事を念じながら石を持ち上げ、感じる重さによって願いが叶うか叶わないかが分かる)や…

狐が出入りしたという狐の穴跡もあります。

1週目はなんと狐の穴跡で本物の狐に遭遇!

この狐、なんとお供えの油揚げを食べていました。

泥棒猫みたいな狐だな、おいアセアセ

散々王子=狐と言っておきながら、狸最中の老舗・狸家さんへ。

その場でつめてくれるタイプの狸の最中です。

食べ歩きしやすいので、王子に来た時はいつも買って帰るお店です。

髪にご利益があるという関神社へ。

髪のご利益があるということで、かつら屋さんなどの名前がたくさんあります。

王子の名の由来になった若王子(にゃくおうじ)を祀る王子神社へ。

東京十社の一つにも数えられる立派な神社です。

最後は北とぴあへ。

北区にある複合文化施設で、関東平野を一望することができる17階展望ロビーは北区自慢の展望スポットとなっています。

今回行った飛鳥山もばっちり見えます。

こうやって見ると飛鳥山はかなり広いので、ここだけでも十分に楽しめるスポットです。

夕方近かったけど、まだまだ賑わってそう。

埼玉方面。

後半に行った名主の滝や王子稲荷神社が見えます。

今回はここまで。
飛鳥山や王子駅周辺が初めてという方も多かったですが、たっぷり紹介しすぎてだいぶ疲れさせちゃったかも。
今回行かなかった博物館もあるし、アスカルゴに乗れなかった方もいるので、また別の機会に遊びに行ってみてください。
では、また次回以降の企画もよろしくお願いします。