仮面ライダーシリーズは1971年(昭和46年)から現在まで続く人気特撮番組です。
人気の理由の一つはちびっ子が真似しやすいライダーたちの変身ポーズにあり、最初の作品「仮面ライダー」では変身ブームという社会現象も生み出しました。

しかし、「仮面ライダー」放送初期、ライダー1号/本郷猛は、変身ポーズをとらずに変身していました。
放送初期はバイクに乗ってベルトに風を受けて変身していたのですが、この変身方法はちびっ子たちが真似しにくく、見た目も地味です。

「仮面ライダー」の撮影が始まって間もなく、アクシデントが起きます。
本郷役の藤岡弘が撮影中にバイクの転倒事故を起こし、重傷を負って入院してしまったのです。
事故寸前のバイク走行シーンは、第10話「よみがえるコブラ男」のラストシーンに使われています。

番組続行の危機となったので、スタッフは新たな主人公ライダーを誕生させました。
それがライダー2号/一文字隼人ですが、一文字役の佐々木剛はバイクの免許を持っておらず、このままではバイクに乗りながらの変身ができません。
そこで、ポーズを取りながらの変身方法が生み出され、これがちびっ子たちに大うけ!
「仮面ライダー」は大人気作品となり、現在まで続く仮面ライダーシリーズの基礎となりました。

藤岡さんがバイク事故を起こさなかったら、仮面ライダーは現在まで続く人気作品にならなかったかもしれない。
この事故はまさに仮面ライダー史の大きな転換点となりました。

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鶴川駅(町田市)から歩いて、藤岡さんが事故を起こした「鶴川団地東交差点」にやってきました。

現場はYの字交差点で、車の往来が激しいです。
藤岡さんは奥の方から右折しようとして転倒事故を起こしました。

分かりやすく拡大するとこんな感じ。

藤岡さんがバイクで走ってきた方向から撮影。
右折に失敗した藤岡さんは電柱を支えるワイヤーに足を引っかけ、左大腿部を複雑骨折しました。
下手したら死んでたかもしれないし、その場合、仮面ライダーは恐らく放送されていなかったと思います(事故は第1話の放送前)。
事故が起こったけど運よく助かったことが、「仮面ライダー」のヒットに繋がったのです。

藤岡さんにとっては災難でしたが、持ち前のド根性で手術と入院生活を乗り切ってのちに復帰。

復帰後は本郷猛もポーズをとって変身するようになりました。

事故を機会に二人体制となり、このフォーマットは現在の仮面ライダーでも受け継がれています。

一般人にとってはただの交差点だけど、ライダーファンにとっては聖地のような場所。

みんなも鶴川団地東交差点を見に行こう!にやり