9月5日
入院24日目、根治的手術を行って8日目の回診でのことです。
術後、それまでは2本排膿の為の入れていた2本の管から洗浄水で内部の洗浄作業を繰り返していました。
担当のY先生は、慎重に洗浄の様子を見ながら術後2週間くらいで管を取り除く考えでしたが
その日の回診は、外科部長さん、副部長さん、その他たくさんの先生が来ていました。
いつもはY先生が手を下すのですが、その日は外科部長さん自ら診察をしていたのですが、
入っている2本の管を抜き出したではないですか!
「洗浄水もきれいなのでもう大丈夫。」
との判断なのですが、途中から糸とかが細くて見えないのか
「Y先生、代わって!」
と言って撤去作業をY先生に代わりました。
ようやく、この治療のためとはいえ私を苦しめていた”2本の管”が取り除けられました。
Y先生は「もうちょっと、慎重にしようと思いましたが上司たちが言うもので取り除きました。」
どこの社会も上司の言うことは絶対なんです。
何はともあれ、これで具体的に退院の日が想定できるようになりました。
管を抜いた日が水曜日だったのですが、前回の例でいけばそこから2,3日で退院ということになります。
2日後の9月7日
Y先生から「退院は9月10日の月曜日ということにしましょう。」とのお話がありました。
8月13日に入院して実に4週間。今回は本当に”長い戦い”でした。
そして、まだまだ完治までは最低でも2,3か月の通院治療があり、また「再発」という可能性も無きにしもあらずです。
ですが、ここで一つの関門を通過したことは間違いありません。
それまで、潰瘍性大腸炎の症状から下痢や粘性便、軟便が続いていたのですが、徐々に普通便に戻りつつありました。
「入院」という”ストレス”から脱却できることから症状に変化が出てきたのだと思います。
この病気(潰瘍性大腸炎)は発生原因が不明な為に国の特定疾患に指定されていますが、
症状を悪化させる原因の一つは明らかに”ストレス”であることはわかっています。
退院して「入院生活」というストレスは無くなっても、これから社会復帰して又様々な社会のストレスに耐えて行かなくてはなりません。
退院を控えた週末の土日は、回診もほとんど”見て終わり”位でなにもしませんでした。
そして、退院の9月10日
Y先生は朝にお顔を出していただいたときに
「本当にありがとうございました。」
と涙ぐみそうになりながらお礼を申し上げました。
11:00迎えに来た家族と共にナースステーションへ挨拶へ行き
「いろいろ、お世話になりました。本当にありがとうございます。」
と申し上げ
「もう二度と来ませんから!」
と、少し笑いを取るセリフも言いながら
私にとっては長い長い今回の入院生活にピリオドを打ちました。
これから先、どのような病気で又、入院するかわかりませんが
本当に貴重な経験をさせてもらったと思います。
松下記念病院の外科病棟の皆さん。本当にありがとうございました。
続く