今年もこの季節がやってきました。一年間のありがとうを込めて、披露宴で使った曲から独断で選曲、1枚のCDに収めた究極のブライダル・コンピレーションを作るなら…「My Favorite Wedding Sound 2011」と題して、2011年のベストをお届けします。
今年は、東日本大震災により忘れられない一年になったと同時に、結婚に対する意識が大きく変わり「絆」「家族」という言葉に象徴されるように、前向きな印象を与えるバラード、ポップソング歌が多かったように感じます。
よく流れていたあの曲や気になっていたあの曲など全17曲を解説付きでお届けいたします。
披露宴会場で流れていた、あのシーンを回想しながらお楽しみいただければ嬉しく思います。
01. Hold My Hand (Duet with AKON)/MICHAEL JACKSON/アルバム『Michael』
オープニングは、2009年に亡くなったマイケル・ジャクソンの死後、発表されたアルバム『Michael』の1曲目に収録されている、なんともメロウで温かいナンバー。
Hip-HopシンガーのAKONとのデュエットというあたり、いかにマイケルをリスペクトするアーティストが多いのがわかります。タイトルが良いですね。
披露宴では、やはり新郎新婦入場で使用しました。
02. I Gotta Feeling/THE BLACK EYED PEAS/アルバム『The E.N.D.』
世界的Hip-Hopグループ、BLACK EYED PEASが2009年に発表したアルバム「The E.N.D.」からの選曲。
いつでもHappyな彼ららしいビートナンバーで、披露宴を明るく演出。
乾杯、ケーキ入刀、二次会など多くのシーンで楽しませてくれました。
それにしても彼らはなんで、こんなにかっこいいんだろう?
03. Just the Way You Are/BRUNO MARS/アルバム『Doo-Wops & Hooligans』
ハワイ出身のシンガー・ソング・ライター。第53回グラミー賞にもノミネートされるなど、その実力は早くから開花していました。一方、The Smeezingtons(ザ・スミージントンズ)というプロデューサー・チームの一員としても活躍する売れっ子ソングライター/プロデューサーでもあるそうです。
1985年生まれというから、若き天才といっても過言でない活躍ぶりです。2010年発表のソロデビューアルバム『Doo-Wops & Hooligans』(MTV European Music Awards (EMA) 2011で最優秀新人賞と最優秀“MTV Push”賞受賞)に収録のこの曲の邦題は、「そのままの君が素敵さ」。
最初、タイトルを見たとき、ビリー・ジョエルのカバーかと思いました。同名の曲で「素顔のままで」というのがあるので…(こちらも素晴らしいバラードですが)
個人的には今年上半期のベストソングでした。
04. Concerto/古澤 巌/アルバム『Dandyism』
葉加瀬太郎と並んで人気のバイオリニスト。クラシックからジャズまで幅広い演奏で活躍。
桐朋学園大学で江藤俊哉、カーティス音楽院でアーロン・ローザンド、ナタン・ミルシテインに、ザルツブルクのモー ツァルテウム音楽院でシャーンドル・ヴェーグ 、イヴリー・ギトリスらに師事。 1988年から4年間、東京都交響楽団のソロ・コンサートマスターを務めました。
この曲は、人前式の承認の拍手や退場、披露宴では乾杯などさわやかで上品な演出に彩りを添えてくれました。
05. Wonderful World/ETERNITY∞/アルバム『ETERNITY』
昨年後半から今年の前半で人気が集中していた明るいR&B。ETERNITY∞は、SWEETBOXにを創出したプロデューサー、ジオが同じくSWEETBOXに在籍していたジェイドと新たに組んだユニット。
そのはず、この曲のベースはカノンであり「究極のポップ・ミーツ・クラシック」といわれているだけあり、クオリティの高いポップナンバーになっています。
披露宴では、入場、ケーキ入刀、退場などクライマックスシーンでの使用が多かったです。
06. ベイビー・アイラブユー/TEE/マキシシングル『ベイビー・アイラブユー』
ONLY ONE VOICEと評される天性のスモーキー・ヴォイスと元ボクサーという異色の経歴が話題を呼んでいる広島県出身のシンガー。
類い希なる才能が開花すると、2009年、音楽活動わずか一年で地元・広島で話題になり翌年にはメジャーデビューに。
この曲は、2011年2月6日に開催された「Billboard JAPAN Music Award 2010」で「New Artist of the Year 2010」(最優秀新人賞)を獲得しました。
披露宴では、退場やプロフィール映像、エンドロールに挿入されていることが多かった印象があります。
07. Have A Good Day !/のあのわ/マキシシングル『Have A Good Day !』
のあのわは、ボーカルのYukkoが、チェロを担当するという変わった編成5人組のポップバンド。(自分たちは、バンドといわず楽団というそうです。)
2009年、メジャーデビュー、4枚目のシングルがこの「Have a good day!」
蒼井 優さん出演の資生堂「アネッサ」のCMでタイアップし、シングルのジャケットでは、その蒼井 優さんが夏の日差しに眩しそうに微笑んでいます。
披露宴では乾杯かケーキ入刀で使い盛り上がりました。
08. はじめてのチュウ(キテレツ大百科)/RASMUS FABER/アルバム『ラスマス・フェイバー・プレゼンツ・プラチナ・ジャズ ~アニメ・スタンダード Vol.2~』
気分一転、あの曲のおいしいJazzバージョンです。ここまで楽しいJazzもなかなかないと思いますが、なんだかホッコリくるアレンジです。
RASMUS FABERはスェーデン出身のプロデューサー/コンポーザー/ソングライター/アレンジャー/プログラマー/マルチ・キーボーディスト。
「ジャズとアニメ、どちらのファンでもある僕が誇れる、どちらのファンにも自信を持って贈れるタイムレスな作品」としてリリースされたプラチナ・ジャズ・シリーズの第2段からの選曲です。
お洒落なジャズをお楽しみください。
09. Chu Chu/moumoon/マキシシングル『Chu Chu』
チュウといえば、コレ。moumoon(ムームーンと読みます)というユニット名
は、フランス語で「やわらかい」を意味する「mou」と、英語で「月」を意味する「moon」の各単語を合わせた造語だそうです。
2005年から活動を開始し、インディーズでシングル、ミニアルバムを発表後、2007年ミニアルバム『love me?』でメジャーデビューしました。
その後は、
TBS系「恋するハニカミ!」や資生堂「ANESSA」CMソングなどタイアップも多数という人気のユニットとなりました。
聴いててウキウキしてきます。意味なく楽しくなれる曲で、ケーキ入刀やカラードレスでの再入場など披露宴も楽しく演出できました。
10. 女の子は誰でも/東京事変/アルバム『大発見』
資生堂「MAQuillAGE」の春のCMのタイアップ曲。(最近の「MAQuillAGE」のCMは、「オシャレ+かわいい」が多く、テレビで放送されると思わず振り返ってみてしまいます。)
椎名林檎率いる、東京事変は、‘椎名林檎’とは微妙にテイストが異なり、特にこの曲はスィングジャズのリズムに女子向けのかわいい歌詞がのって、PVではキュートな彼女が見られます。
披露宴では、再入場やケーキカットに使われていました。
11. マル・マル・モリ・モリ!(フルサイズ)/薫と友樹,たまにムック。/マキシシングル『マル・マル・モリ・モリ!』
子役ブームのきっかけになったのが、この曲でしょう。ドラマ、DVDともに大ヒットとなり、紅白歌合戦にも出場いたします。ですが、有名なサビは聞いたことがあってもフルコーラスは知らないという方も多いと思います。これを機会に、お子さんと一緒に盛り上がってください。
披露宴では、お子さまが登場する余興やイベントで使用したことはいうまでもありません。
12. Baby I Love U (English Ver.)/CHE'NELLE/アルバム『Luv Songs』
今年一番注目だったのがこの曲。CHE'NELLE(シェネル)は、LA在住のR&Bシンガー。これまで久保田利伸
「Missing」やいきものがかりの「SAKURA」などカバー曲はあったのですが、TEEの「ベイビー・アイラブユー」を英語でスィート・カバーしたこの曲は発売されるやいなや、たちまち話題となり披露宴でも人気の曲となりました。彼女のオリジナルと感じるほど個性が出ています。前述のTEEと聴き比べてお楽しみください。
披露宴では、入場、ケーキ、退場などクライマックスシーンと合わせてプロフィール映像でも人気でした。
13. 100万回の「I love you」/RAKE/マキシシングル『100万回の「I love you」』
そしてもう一曲、人気の高かった曲がこの曲。2010年メジャーデビューの新進気鋭のアーティストでデビュ
ー前からMONKEY MAJIKやキマグレンのオープニングアクトを務めるなど圧倒的なライブパフォーマンスが
話題になっていました。耳になじむ日本人好みのヴォイストーンが力みすぎず、でも力強くサビが印象的で、
先のTEEやCHE'NELLと合わせて人気でした。
“笑顔”がキーワードの曲を2曲どうぞ。高橋 優は、2010年デビューのシンガーソングライター。と書くと、一般的な歌手のイメージですが、デビュー後もニューヨークでストリートライブを行う、それに先立ち、「I think the universal language of the world is not English but a smile」と「福笑い」の歌詞の一節を英訳した意見広告を掲載するというワールドワイドな活動をする才能豊かなアーティストです。
この曲は、サビが印象的で「世界の共通言語は英語じゃなくて笑顔だと言える」、この感性に感銘を受けました。全体を聞くととても幸せな気分になります。難しいことは抜きにして、笑顔が全てを変えてくれる、そんなメッセージが熱く伝わってきます。
15. 笑ってたいんだ/いきものがかり/マキシシングル『笑ってたいんだ/NEW WORLD MUSIC』
「ありがとう」で結婚式の定番ともいえる曲を提供したいきものがかかりの20枚目のシングルとして発売。
典型的な元気ソングではありますが、「笑ってたいんだ、ボクはずっと~」のサビの中からエネルギーを貰
います。震災の影響で結婚式を開催していいかどうか、と悩んだ新郎新婦がたくさんいました。でも、こう
いう歌に勇気づけられ挙行した新郎新婦もいたと思います。列席したすべてのゲストが笑って祝福してくれ
るのが何よりの幸せかもしれません。
16. 家族になろうよ/福山雅治/マキシシングル『家族になろうよ』
どうしても外せない一曲。福山さんの個性あふれる、メロディアスなアコースティック・バラード。東日本大震災の影響で全国アリーナツアーが中断していた際に書き下ろされた自身初の結婚ソングといことで「ゼクシィ」のCMソングとしても話題に。
結婚式で贈られる両親への手紙をイメージした内容で、「家族とは何か?」を問いかけるナンバーということです。個人的には、前作「蛍」―さりげないプロポーズを歌った曲―の延長線上にある楽曲というイメージです。
披露宴では、新婦の手紙朗読のときにはカラオケバージョンで、そして花束贈呈に変わるときに歌入りの原曲にスライドする…という使い方をして感動的な演出を。またエンドロールへの挿入や送賓の1曲目として曲の効果を活かした演出ができました。
17. Boom!/マイア・ヒラサワ/マキシシングル『Boom!』
ボーナストラックには、元気をくれるポップナンバーを。この曲は、3月9日開通の九州新幹線のキャンペーン「祝!九州」のCMで起用された曲でした。
しかしその直後、東日本大震災が発生し、CMは中止となってしまい、いわば幻に近いCMタイアップ曲となりました。
マイア・ヒラサワは、日本人の父とスウェーデン人の母を持つスェーデン出身の女性シンガーソングライターで2007年頃からソロ活動をはじめ、スェーデンでは早くも人気に。
順調にアルバムを出してはライブを行うなど日本でも活動範囲を広げていったとのことです。曲はというと、印象的なサビ「Boom,boom,boom,boom?」が気持ちいいワールドポップとなっています。
リズムは、民族音楽的な太鼓のリズムにノリのいいコーラスが楽しさを演出。今思うと、実にCMの動きとマッチしていていい曲&CMだと思います。披露宴中では、ケーキ入刀や乾杯など盛り上げるシーンで使用しました。
以上17曲、いかがでしたでしょうか?
さまざまな思いが詰まったWedding Soundをお楽しみいただけましたでしょうか。
東日本大震災の直後のブログでこう書きました。
「こういう状況下で、結婚式を執り行うべきか否か―。(中略)~被災者の方々の気持ちを考えると自分たちだけ喜び、楽しんでいいのだろうか、という気持ちにもなりますが、生き続ける者は後世に命の灯りを繋いで行く義務があります。結婚式はその第一歩なので(最終的には、ゲストの方々の意見、交通事情、会場の対応などを含め総合的に結論を出すことになりますが)、ぜひ行っていただきたいと思います。
少しオーバーな表現かもしれませんが、結婚式、ご披露宴は、笑い喜び合うことが許される数少ない場所だと思います。そして精一杯それを支えるのは、プランナーをはじめ会場スタッフであり、協力業者の勤めです。一つひとつのご披露宴を精一杯、勤め、新郎新婦はもとよりゲストの方々にも喜んで、祝福してもらう。それが成されてこそ、被災された方々への勇気と希望に繋がる、そう信じています。(中略)結婚式には様々な意味合いがあります。
人生の節目、家族を持つ、家庭を築く、今まで支えてくれた方々への感謝…そして今回、新しい意味合いが加
わったように思います。「命を繋ぐ」」
その直後、「勇気づけられて挙行することを決めました」とTwitterを通してメッセージをくれた方がいらっしゃいました。
ほんの少しでも役に立てたという気持ちで嬉しかったです。
音楽は、言葉を超えて気持ちを伝えることができます。新郎新婦が選んだ一曲は、その中にそれぞれ違う形で、
両親・家族・親族・ゲストの方々へメッセージを送っています。
来年もまた新しい音楽で結婚式・披露宴を彩れるよう務めていきたいと思います。
J-Popが多い「My Favorite Wedding Soung 2011」でしたが、皆さまに元気という名の雪が降ることを願っています。
2012年、よいお年をお迎えください。
★ご紹介の曲を試聴したり、購入したいという方のために、iTunes、Amazon、moraで販売されている曲はリンクされています。ぜひご利用ください。
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