久しぶりに今日ラジオ収録だったよ。

9割が下ネタで収録後、1時間に及ぶ反省会を開いた。

でも僕はドラクエ9がやりたかったんだ。

説教中、見つかんないようにテーブルの影でコソコソとプレイしてると

「おい上田!お前何やってるんだ!」

没収されちゃったよ。

あ~あ
下手こいたなぁ。
「…てなコトが昨日あってだな」

翌日
俺が通う大学(中の下)の講義中、昨日起きたデリヘルデビュー失敗談を友人のタカシに聞かせていた。

「お前勿体ねぇことしたなぁ。」

まったく
同感だ。

「一言あればオレがいい店紹介してやったのによぉ。」

グヘヘとタカシは下品な笑い声を立てる。
コイツホントに俺とタメか?

「なんの話してるのぉ?」

俺の真後ろの席に座る“ななみちゃん”が俺の肩をたたき聞いてきた。

「コイツな、昨日デリヘル呼んでな」

うぉい!

と俺はタカシの緩い口を手で塞いだ。

「てめぇ俺がななみちゃんを密かに狙ってること知ってんだろ!?」

小声でかつ、ドスのきいた声でタカシに問った。

タカシはグヘヘと笑う。
キモイ。
消えてくれ。



「はい、では今日の授業はここまでです。」

数学の教授が講義終了を告げた。

ホワイトボードには未知なる数式が書かれている。

やっべ
全然ノートに取ってないや。

「ねぇアキトクン。」

慌てて謎の数式を書き写していると、ななみちゃんが俺の横に座った。

「この次の授業が終わったら3階の食堂に来てくれない?」

食堂?

「え?次の授業が終わるのって…4時過ぎだよ?その時間は食堂やってないよ?」

お誘いはかなり嬉しいが疑問が残る。

「だから来て欲しいの。アキトクンと2人っきりになりたいから…」

疑問解消☆

飛び跳ねて喜びたい衝動をこらえ、俺はクールに承諾した。
自慢じゃないが俺は決して早漏ではないと自負している。

いつも彼女を満足させていたし(演技かもしれんが)
なかなかスタミナのある息子だと思っていた。

なのにこの女…




俺 を 2 秒 で イ
か す だ と ! ?








「ふふ♪」

まるで彼女は簡単な事務的作業をこなしたかのような楽勝な表情。

まるで「早かったわね♪」と言わんばかりの表情。

ていうか俺のザーメンは?
まさかゴックンしたのか?

「どうでした?気持ちよかった?」

普通に喋ってる様子からして、どうやらゴックンしたようだ。

「……」

屈辱感でいっぱいな俺はただただ黙る。

…クソっ!
何なんだあの舌使いは!
どんな研修を受ければあんなテクが身につく!?
しかも三回も抜いた後だぞ!?
デリヘル歴半年なんて嘘だ!
絶対嘘だ~!!

「アキトさん?」

「あぁ!?」

俺は大嘘つき女にメンチを切った。

「…あの、お会計の方を~…」

「チッ」

俺の舌打ちがバスルームに反響する。

全然楽しめなかったのに金は取るんだなっ!
コイツは“焦らし”ってのを知らねぇのか?

俺は自室から安物の皮財布を持ち出し、福沢諭吉を三枚彼女に渡した。