「…てなコトが昨日あってだな」

翌日
俺が通う大学(中の下)の講義中、昨日起きたデリヘルデビュー失敗談を友人のタカシに聞かせていた。

「お前勿体ねぇことしたなぁ。」

まったく
同感だ。

「一言あればオレがいい店紹介してやったのによぉ。」

グヘヘとタカシは下品な笑い声を立てる。
コイツホントに俺とタメか?

「なんの話してるのぉ?」

俺の真後ろの席に座る“ななみちゃん”が俺の肩をたたき聞いてきた。

「コイツな、昨日デリヘル呼んでな」

うぉい!

と俺はタカシの緩い口を手で塞いだ。

「てめぇ俺がななみちゃんを密かに狙ってること知ってんだろ!?」

小声でかつ、ドスのきいた声でタカシに問った。

タカシはグヘヘと笑う。
キモイ。
消えてくれ。



「はい、では今日の授業はここまでです。」

数学の教授が講義終了を告げた。

ホワイトボードには未知なる数式が書かれている。

やっべ
全然ノートに取ってないや。

「ねぇアキトクン。」

慌てて謎の数式を書き写していると、ななみちゃんが俺の横に座った。

「この次の授業が終わったら3階の食堂に来てくれない?」

食堂?

「え?次の授業が終わるのって…4時過ぎだよ?その時間は食堂やってないよ?」

お誘いはかなり嬉しいが疑問が残る。

「だから来て欲しいの。アキトクンと2人っきりになりたいから…」

疑問解消☆

飛び跳ねて喜びたい衝動をこらえ、俺はクールに承諾した。