キャロルとケイト様 | キャロル愛さずにはいられないあなた

キャロルとケイト様

ケイト様は、もともと原作者のファンだったらしいけど、映画化を望んだのは当然「自分ならキャロルができる」と感じたからで、これってすごいわ。

ケイト様は、インタビューでもし自分がキャロルならやはり自分の気持ちに正直に生きたいと答えていたけどね。きっとものすごく考えたと思うもの。

だからこそ偏見で見て欲しくないという気持ちが強いんだろうね。

 

映画も原作も真実は一つだろうけど、観る人間、読む人間によって現実、つまり受け方がいろいろってことだよね。

最後はテレーゼとキャロルの立場が逆転したって感想もあるけど、私的にはそんなこと二人は気にしてないと思うけどね。もうそんなのを超えていると思うもの。

キャロルが「来なくても理解する」と書いたのは、自分のためではなくテレーズに対する思いやりだと思うけどね。

でもそれは、テレーズも同じだと思う。テレーズもキャロルを守りたいと思ったんだよ。キャロルの原作を読んだ時、作者が未来に向けてずっとこの小説を読むであろうリアルのキャロルやテレーズの幸せを願って書いたものと思ったけど、今は未来に出会うであろうケイト様とルーニーに向けて書いたのだと信じたい。

 

キャロルで二人が3ヶ月振りで再会した時に、テレーズが初めて愛する人に「NO」というけど、あれは「今までの二人の関係は終わり」ってことをキャロルにというより自分に言いたかったんだろうね。

だって完全なる終わりなら手紙1本で別れを告げればいいんだもの。逢う必要ないものね。そんな風にいろいろ考えると恋愛映画じゃなくて人間の生き方の映画だね。

だから二人の間では、以前の関係を1度きちんと二人の納得の上で終わらせる必要があったってことだね。

 

つまり二人は、潜在意識の中では一度も離れ離れにはなってなくて、ずっと心は繋がっていたってこことだね。ただそれをどうやって表面化するかってことが求められたわけだけど「NO」はこれからの二人に対するお互いの思いやりと愛の証だったわけだ。

再会の時の「NO」はテレーズの心の強さの表れで、これからはキャロルを守って行くんだというのがわかるし、わざわざテレーズに「NO」と言わせるようなことを言ったキャロルには包容力が感じられるから、キャロルはこれからもテレーズを優しく包んでいくのがわかるよね。