今夜は中秋の名月。
実家の福島で、皓々と光る月を眺めていた。
「月がきれい」と思ったのは何年ぶりだろうか。
そもそも月を見る、ということをほとんどしていなかったかもしれない。
電灯がなかったいにしえの人々は、
夜は月が頼りで、
月の満ち欠けにはすごく敏感だったんだろう。
満月、とりわけ秋の見事な満月を見ることは、
今よりはるかに、1年の大事なイベントの一つだったはず。
そして今、都会では夜も光に困ることはなく、
一年中、朝も夜も明るい中にいて、
誰もが月のことなど気にしていないように思える。
「お月見」という行事は残っているけれど、実際やっている人は少なくなっているのではないのかな。
平安時代の貴族が庭の池で月見をする情景を思い浮かべてみる。
「人生を楽しむ」ということは、
実はすごく単純なことなのかもしれないな、
そんなことをふと思った。