リーマン破綻は、金融と無縁の生活をしている私にとっても、なかなかショックな出来事だった。
天文学的な数字のお金を扱っていたはずの、あんな大きな銀行が、「どこかからの救済」も入らず、ある日突然なくなってしまうんだ。そういうことってあるんだ。
その理由について、愛読しているこのブログの次回が楽しみ。
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/
ところで、アメリカの「金融依存度」に関する記事が今日の日経新聞に出ていたので引用。
アメリカが「ものづくり」の現場を中国に移すにつれ、企業利益における「金融依存度」はどんどん高まっていき、
85年の2割強から04年には3割強に上がり、製造業は5割弱から3割弱にまでに下がったという。
一方、日本はといえば、製造業4割、金融は1割にとどまる。まだまだ「ものづくりの国」である。
しかし国としてさらに成長するには、高成長の原動力にならない製造業ではなく、
金融をもっと伸ばしていく必要があるという。
何しろ日本は個人資産1500兆円もある金持ちの国だ。ポテンシャルは十分すぎるぐらいある。
たしかに、金融もがんばってほしいけど、
でも私はやはり、日本の製造業はそれ以上にがんばってほしいと思っている。
先週も京都の「工業用洗浄機」メーカーを訪れ、3次元CADの取材を行った。
生産ラインにおける「油にまみれた部品」を「地球にやさしく」洗浄する機械のメーカーで、
塩素洗浄の規制の中、売上を大きく伸ばしている。
ものづくりは、「細部にこだわる」仕事である。
たとえば、ある部品を洗浄するにはどのような「かご」に入れて洗うのがよいのかを徹底的に研究し、
一品一様でかごから作る。
こういった細かさ、微妙なところを実現する力って、
アメリカや中国、アジアの他の国と比べても、
日本人の突出した能力の一つであり、すなわち差別化できるポイントだと思う。
「匠の技」という言葉は日本人にこそふさわしく、世界に誇れるものだ。
金融依存度が高くなっていくのは、国の成長の上で仕方のないことなのかもしれないが、
「ものづくり依存度」についても、
どうか今のまま保って、欲を言えばさらに高めてほしいなあ、と密かに思うのである。