PDFとは、Adobe Systems社によって開発された、電子文書のためのフォーマット。レイアウトソフトなどで作成した文書を電子的に配布することができ、相手のコンピュータの機種や環境によらず、オリジナルのイメージをかなりの程度正確に再生することができる。文字情報だけでなく、フォントや文字の大きさ、字飾り、埋め込まれた画像、それらのレイアウトなどの情報を保存できる。PDF文書の作成には同社のAdobe Acrobat(または互換ソフト)が、表示にはAdobe Readerが必要。
PageRankとは、Google社が開発し、自社の検索エンジンに搭載している、Webページの重要度の判定技術。また、算出された各Webページの重要度の指数。
「多くの良質なページからリンクされているページは、やはり良質なページである」 という再帰的な関係をもとに、ページの重要度を計算している。あるページから別のページへのリンクを、リンクされたページへの「支持投票」とみなし、それにリンク元のページの重要度(そのページの被リンク数)の重みをつけて加算し、投票数によりそのページの重要性を判断している。ページの内容は影響しない。
検索エンジンは従来、ページの内容と検索された単語との関連性の高さを判断し、検索結果の表示順位を決めていたが、Google社はPageRankの導入により、どれだけ多くの人が注目しているかという新しい指標を検索エンジンに持ち込んだ。同社ではページ内容の関連性の高さとPageRankの両方を総合的に判断して検索結果を表示している。どちらをどれくらい重視しているかは公表されていない。
Operaとは、Opera Software社のWebブラウザ。コンパクトで軽快な動作が特徴。Javaアプレットの実行環境や、JavaScript、スタイルシートなどにも対応し、Webブラウザの基本的な機能は一通り用意されている。対応プラットフォームも多く、Windows/Mac OS/Linux/Solarisなどに対応したパッケージが配布されている。
かつてはシェアウェア風の料金体系を採用しており、インストール直後の状態では画面に広告が表示される。そのまま使用を続けても構わないし、Opera社に39ドルを支払って登録するとこの広告を消すことができた。2005年9月からは完全に無償で利用できるようになった。
OpenSocialとは、Google社が2007年10月に発表した、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を利用したアプリケーションソフトを開発するための共通の機能セット(API)の体系。SNSがOpenSocialに呼び出し規約に従って機能を開放することにより、開発者がそのSNSのデータや機能を利用したサービスやソフトウェアを開発することができるようになる。
従来、SNSの持つデータなどは運営企業が独占的に利用することができ、外部の開発者がそれを利用したアプリケーションを作ることはできなかったが、米大手SNSのFacebookが自社の持つデータや機能を利用できるようAPIを開放したところ、数千に及ぶ対応アプリケーションが開発され、Facebookの普及を促進する一因ともなった。
こうした動きを受け、Google社は複数のSNSで共通して使える呼び出し規約をOpenSocialとして整備し、各社に対応を呼びかけている。OpenSocialを利用して作られたアプリケーションは、基本的にはOpenSocialに対応したどのSNSでも使えるようになる。Google社自身のSNSであるOrkutに加え、米大手SNSのFriendster、日本最大手SNSのmixiなど十数社が対応を表明している。
OpenIDとは、様々なWebサイトで共通のID情報を利用できる認証方式の一つ。また、そのID情報自体のこと。
会員制のWebサイトやサービスを利用するには、従来は個々のサイトごとにIDやパスワードの登録を行なう必要があったが、OpenIDに対応しているサイトでは自分の持つOpenIDでログインして会員向けサービスなどを利用できる。
OpenIDの発行はどこのサイトでも行なうことができ、また、OpenID対応サイトでは原則としてどこが発行したOpenIDでも利用できる(利用できる発行元を制限している場合もある)。
従来提案されてきた共通IDシステムの多くは、一つの企業や業界団体などがIDを発行して「全員がそれを使う」という一元管理型の方式だったが、OpenIDは発行も利用も原則として自由に行なうことができる点が大きく異なる。
OpenIDで個人のユーザ名に当たるデータはWebサイトのURLの形式を取っている。OpenID対応サイトが認証を行なうには、ユーザの提示したURLにアクセスし、認証サーバにユーザが本人かどうかを問い合わせる。
OpenID 2.0からは、従来の方式に加え、固有のURLを提示する代わりに認証サーバのドメイン名を伝える方式も用意された。IDとしてドメイン名を提示するとその認証サーバのログイン画面が表示され、認証が完了すると自動的に対応サイトに移動する。
2007年6月にOpenIDを推進するために米国で「OpenID Foundation」が設立され、日本におけるその公認団体として2008年10月に有限責任中間法人OpenIDファウンデーションジャパンが発足した。日本ではYahoo! JAPANやmixiなどが自社のIDをOpenIDとして公開しており、OpenIDで利用できるサイトも日増しに増えている。
Open Ajaxとは、2006年2月に旗揚げされた、Webアプリケーションの実装技術であるAjaxの開発ツールを開発するオープンソースプロジェクト。
オープンソースの統合ソフトウェア開発環境(IDE)の一つであるEclipse上で、Ajaxを利用したWebアプリケーションを開発できるようにするツールとして提供される。IBM社が開発し、同プロジェクトに寄贈したコードを基礎に開発が進むと見られる。Google社やYahoo!社、Oracle社、Red Hat社など大手IT企業が支援を表明している。
O3Dとは、2009年4月にGoogle社が発表した、Webブラウザ内で3次元グラフィックス(3DCG)を表示するためのプログラミングインターフェース(API)。O3Dを用いて実際に3次元グラフィックスを表示するプラグインも同時に発表された。
O3DはWebブラウザ上で動作するJavaScriptのプログラムからグラフィックカードの持つ3次元描画機能にアクセスし、3Dグラフィックスを高速に描画することができる。内容をアニメーションさせたり、ユーザの操作に応じて変化させる対話的な機能も備えている。
プラグインは主要なOSとブラウザをサポートしており、機種やブラウザの違いを意識することなくWebページの一部として3次元グラフィックスを埋め込むことができる。
NSAPIとは、インターネットサーバに機能を拡張するために、Netscape Communications社が提供しているAPI。同社のWebサーバNetscape Enterprise Serverで利用することができる。
Netscape Navigatorとは、Netscape Communications社のWebブラウザ。電子メールソフトやNetNewsクライアントなども標準で装備している。Netscape 4シリーズでは、同社のインターネットクライアントソフトウェアパッケージのNetscape Communicatorの一部となっている。
NCSAで世界初のグラフィカルなWebブラウザMosaicを開発したチームがNetscape社に移籍し、Mosaicを超える新たなWebブラウザとして開発した。
ベータ版をインターネットを通じて無料で配布したことから一時は9割近いシェアを獲得し、Netscape Communications社を著名なインターネット企業に育てたが、Microsoft社のInternet Explorerの追い上げにより、近年のシェアは低迷している。
1998年1月に製品版の無償配布とソースコードの公開が行われ、オープンソースソフトウェアとして世界中のボランティアプログラマの手を借りて開発を行なっている。このオープンソースプロジェクトはMozilla.orgと名付けられており、このプロジェクトから得られたソースコードを元に作成された新バージョンのNetscapeがNetscape 6/7である。
Netscape Communicatorとは、Netscape Communications社の統合インターネットクライアントソフトウェア。WebブラウザのNetscape Navigatorに、電子メールソフトのNetscape Messenger、NNTPクライアントのNetscape Collabra、HTMLエディタのNetscape Composer、プッシュ配信クライアントのNetcasterを統合したもの。Communicatorのバージョンは、Navigatorのバージョンに合わせて4.0から始まっている。1998年にソースコードが公開され、オープンソースソフトウェアとなっている。